ショコラ ~maid cafe curio Re-order~

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stars システムさえよければ…… シナリオはばっちり!

丸戸氏のシナリオは、やっぱりいいですね。「家族」というものへのこだわりが感じられる序盤の展開は非常に私好みです。何気ない台詞に深い愛情が感じられるような展開を、こんなに上手く書けるライターはなかなかいないでしょう。素晴らしい。

1周目は美里さん方面へ行った模様。あぁ、こういう告白シーンは大好きですよ。

ぇちしーん×3を経て、美里さんエンディングへ到達。く、やはりこの展開は分かっていながらも感動させられてしまう。ホント、いい娘だなぁ。いきなり大団円見てしまいましたが、次も頑張って進めますよー。

しかし、このゲームシステムはやはり不要な気がするなぁ。PS2版は完全なアドベンチャーゲームになっているし、ストーリー追うのにマイナスとしか思えませんね。

大村翠、桜井真子、結城すずルートを読了。

どのシナリオも、専用ルートに乗ってからの場所移動の選択さえなければ、スムーズに楽しめたと思うだけに残念無念。

どのルートでも、Curio内における共同体としての「ファミリー」から、信頼だけでなく、さらに愛情で結ばれる家族への想いの遷移を、それぞれの視点で描いてくれているのが素晴らしいです。

特筆すべきはすずルート。すずの姿を過去の主人公自身とダブらせつつ、兄妹から恋人への関係の変化を、苦悩と、その後の大きな喜びでもって描写するシナリオ運びは見事。おおらかな両親と周囲の人間の態度は、ゲームならではですが、誰からも祝福され幸せを築く関係になれたという二人に限りない拍手を。

キャラ的にもシナリオ的にも、好みだったのは翠ルートですけれど(^^; 逃避を恋と錯覚した翠の失恋から、香奈子さんも含めた三角関係のこじれへと発展するあたりは、良くある展開ながらもぐいぐい引き込まれました。どちらも大切だから、傷つけたくないからと期間限定の恋人で(表面上だけでも)満足しようとした翠に対して、彼女が彼女であることを守るために、数年来の関係が壊れることを恐れずに、自身の気持ちにケリを付けた大介の、格好良さが際立つシナリオでした。

真子さんは、まぁ、普通(えー というか、甘えさせまくりの母性本能に溢れる女性に傾倒した主人公は、ダメダメになるのはすでに仕様ですか。いきなり童心に返ったりして、女々しいったら。

さて、残りもあとわずかですが、この調子で楽しませてもらえることに期待です。

橘 さやか、チロル、秋島 香奈子ルートと読了して、これで完了。

さやかさんルートは、やや本流とは離れた位置にあるシナリオとはいえ、それなりに良くできてました。まぁ、他のキャラのシナリオが、それに輪をかけて素晴らしいので、霞み気味なのは致し方なしというか……(^^;

香奈子さんルートは、一回バッド必須なのね。正直どうしようかと思いましたが、チロルルート出現のフラグにもなっていて、この構成は見事ですね。

で、香奈子さんルート、最後にとっておいたのは間違いなかったようで。素晴らしい。大介も香奈子さんも不器用すぎます。三年もかけてたった一言を届けるための紆余曲折が、どれだけあったのかなんて、三年という時間を思えばそれで事足りるでしょう。大介がヘタれてなければ、あるいはもっと早くの新店もあったのでしょうけれども、それは、まぁ翠あたりも絡んでくるし、難しい問題だったのかなぁと。

香奈子さんだけは、本編の中で「家族」になったのだと明確に示されていないんですよね。作中を通して行われたのは、過去の清算と誤解の解消と告白。スタートラインへ立って、もう一度出発しようというところできれいに終わっていました。

追加のショートストーリーでは、本編エンディング後の二人を描きつつ、翠の気持ちにも一つの区切りを与えています。本当に翠はいいヤツで、なんでもできるからなんて理由で、大介を諦めなきゃならない道理などないだろうに。それでも二人の祝福のために身を引く決意を、二人っきりのクリスマスパーティーの中で、たわいもない会話の果てにするというのは、本編の翠ルート、香奈子さんルートを経た後からすると、やはり辛さが勝ってしまいます。本当にいいヤツなのにね。それでも、このシナリオは大介と香奈子さんの、曖昧だった関係を同じ姓を名乗ることにより規定するものであり、数年に渡る彼女の夢の一つの実現を描いているのです。だから、最後の香奈子さんの笑顔がこの上もなく愛おしく、その未来が祝福に満ちていると信じるに足るのです。

ショコラにおける丸戸史明氏のシナリオは、家族の理想ともいえる形を、様々な側面から描いてくれています。主人公の大介はかつての自らの所業の反省からか、ことさら「家族」という繋がりに飢え、神聖視すらしている節があります。彼の回りに集った人々も、彼の理念に共感し、これまでとは違うcurio を

「ファミリー」という共同体のもと──だから、むしろ結城ファミリーではなく、大介ファミリー──築いていくのがショコラの物語の根幹にあります。それぞれの抱える家族への思いは異なれども、大介を中心に動くcurioで過ごす三ヶ月は、決して小くはない劇的ともいえる影響を彼女たちに与え、終わってみれば「いろいろあったけれど、楽しかった」と、思い返せる時間たり得るのでしょう。

笑うことも、泣くことも、怒ることも、悲しむことも、そして憎むことすらも、すべてひっくるめて無条件に肯定し、その果てに愛を結ぶことができるなら、それは、どこまでも純粋で、理想的な「家族」の一つの形だと言えるのでしょう。生きた感情が伝わる作品に仕上がっているからこそ、このゲームの結末のどれもが美しく、愛おしく思えるのです。その幸せさに、年甲斐もなく嫉妬してしまうほどに。

ゲームシステムについては、もういいです。場所の選択などのシステムは、このゲームのシナリオに合っていませんから、素直に攻略サイトとかを参考にさせてもらいました。これさえなければ、プレーの中弛みもせずに済んだのに、残念ですね。

とにもかくにも、トータルで見れば文句なしに傑作と言えるゲーム。これで心おきなくパルフェを始めることができますね。この作品を通して感じることのできる暖かさは、どこまでも染みてくれました。また、時間をおいてリプレーしたりすると、別の感想も浮かぶのでしょうけれど、今はこの暖かさを噛みしめるだけで、十分に満たされる、そんなゲームでしたね。万歳。

あ、キャラは翠が一番ですね。こういう関係をどこまでも正直に描いてくれる丸戸シナリオ、もうどこまでもついていきますよ(笑)

hReview by ゆーいち , 2005/5/15

ショコラ ~maid cafe curio Re-order~

ショコラ ~maid cafe curio Re-order~
テイジイエル 2004-12-23
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