読了。
あぁ、もう、なんていうか、この選択は必然であるけれど、そこへ至るためになくさなければならないもののなんと重いことか。
それは、過去であり、思い出であり、唯一抱いた恋心であったり。
京介主体の視点で進む物語は、これまでの彼の無気力さが嘘であるかのように、感情的な独白を含みつつ、けれど、あくまで淡々と。
生きていても良いと、ほんの少しだけ前向きになれてきた矢先に、もろもろの元凶である彼女が現れたという皮肉。しかし、それすらも、背後にある組織同士の対立の構図の中では、駒と駒のぶつかり合いに過ぎないわけで。
結局、京介が救うことのできそうな人間なんて、唯一無二の半身である、豊花しかいないのかもしれません。それ以外の人々は、ただ彼らに関わり、あるいは去り、あるいは永遠に別れてしまうだけなのかも。
そして、それは恐らく、この作品世界内においては、ただ当たり前のように受け入れられている日常なのだと思うと、寂しさ感じることをを禁じ得ないのです。
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