アリソン

アリソン

読了。

世界の構築の仕方が素晴らしいなぁ。すんなりとこの作品の世界観が理解できてしまうあたり、時雨沢作品の魅力は、やはりこの世界描写の自然さにあるのではと思ってしまいます。別に巧みな表現があったりするわけでなく、自然に、あるがままにその世界を想像させてくれるというのは、なかなかできないでしょうしね。

フライングで読んでしまった「リリアとトレイズ」前代に当たるシリーズなので、あぁ、彼らの若かりし頃は、と逆説的に楽しんだりもしてしまいますが、本巻に限っていえば起承転結の付け方に非の打ち所がなく、純粋に「リリアとトレイズ」上下巻より楽しめました。この辺は主人公の魅力の差なのかなぁ。リリアとトレイズのコンビよりもアリソンとヴィルのコンビの冒険の方が、見ていて楽しいのですね。