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わたしたちの田村くん

わたしたちの田村くん読了。

えろげライターからの転向ということで、テキスト自体は非常に読み慣れたテンポ重視の文体ですね。よく言えば読みやすい、悪く言えば下が白いよ。

主人公の脳内妄想っぷりが、ドクロちゃんの桜くんを彷彿とさせますが、あちらの作品がギャグ方面へ突っ走って戻って来られないのに対して、本作はしっかり落ちを付けてるあたり見事。というか、軽めの文体に騙されると、意外に重いテーマにぐんにょりです。学校という舞台で中高生を描こうと思えば、それは当たり前のように転がっている、目を背けた方が気楽な問題。主人公の田村くんも同様に一旦は逃げ、けれど誠実に向き合うだけの根性を見せてくれます。知らず知らずフラグは立つわ、次巻は三角関係で修羅場になりそうだわ、なかなか気を持たせる引きでしたね。

まぁ、不思議ちゃんな小巻も、ツンドラな広香も田村くんへ好意を寄せることになる経緯が、階段二段飛ばし顔負けの急展開ぶりなので、もうちょっと丁寧に描いてくれたのなら萌え転がることができたのになぁと、ちょっと残念。

うん、えろげーなら絵や音楽でぐっと来させられるんだろうなぁという、それぞれの告白の場面は、けれど文字だけなのでややあっさりかなという印象がしたのです。

でもね、彼女らに対して誠実であろうとする田村くんは、十分彼女らに想われるだけの資格はあると思いますよ。あんなこっぱな台詞も行動も、きっと田村くんの兄も弟もできますまい。

次巻以降ではさらなるジェットコースターなラブコメを期待させていただきますよ。

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