「愛しい愛しいと言う心」という挿話が美しい。「戀」という漢字にかけたエピソードですが、なるほど、小谷の心中を的確に射て、形あるものとして認識させるために、必要だったと思えます。
この静かな時間の流れが、逆に切なすぎるほどの思いを抱かせます。間に挟まれたそれぞれの短編も、終わりの時間が確定してしまった者の様々な生き方を描いています。
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