バイトでウィザード 沈めよ恋心、と雨は舞い降りた

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バイトでウィザード 沈めよ恋心、と雨は舞い降りた読了。

久画均晴から礼子を救い出すことに成功しつつも、京介と礼子の間の溝は埋まることなく。物理的な距離だけでなく、京介の側の想いを消去することによって、精神的な距離までも取り返せないほどの別離を迫る、家長の決断に感じる冷徹さは、結局彼の言う「友達ではなく、部下」という一語に集約されています。

どちらの勢力が前途か悪とかでなく、個人の思惑ではどうにもならない組織間の闘争に、使い捨ての消耗品として扱われることのない、京介や礼子の姿が淡々と描かれるやるせなさ。互いを思いやるたいせつな気持ちさえ、交渉の道具とされ、抗うことすらできない京介の、無感動といわれた彼の胸中に残る感情が絶望だけというのはなんという皮肉ですかね。

加速度的に救いのなさが進行する長編シリーズ。組織を離れての生存が絶望的となった京介が取れる選択肢は少なく、組織の道具として使いつぶされるのを待つのか、あるいは……。というか、彼らの願いを少しは叶えてやってくれよう。全てを救いたいなんて、それは大それた願いかもしれないけれど、京介と礼子が願った二人の幸せは、ここまでボロボロにされて、なお足りないというほど過ぎたものではないでしょうに。

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