さよならトロイメライ

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さよならトロイメライ読了。

富士見ミステリー文庫だからって、額面通りのミステリーを期待したら大間違いというのは、「ROOM NO.1301」シリーズで学習済みですががが。途中まで推理もので行くかと思ったら、これは、これは、いったい……。

本作のオリジナルにあたる2003年富士見ヤングミステリー大賞・井上雅彦賞受賞作「死には偽物の救いを」では、さらにミステリーの埒外的な先品であったようで。しかし、えろーすな描写が濃厚というのは気になりますぞ(笑) や、本作も結構ぎりぎりを攻めてるような気もしますが、そっち方面の需要も狙っているのか?

内容的に、ネタバレしたら本作の面白さの大部分がスポイルされてしまうので、深くは書けません。が、巷でいわれてるほど人を選ぶ作風という気はしないのですけどね。一人称の作品は決してないわけではないし、本作の主人公・藤倉冬麻の語り口・テンポの小気味よさは、ハルヒシリーズの語り部ともなっているキョンのそれに通ずるものがあるような。ハルヒ読んでる人なら、それこそ違和感はあまりないのかも。まぁ、所々視点が移動するので、それが唐突だと現在の主観が誰なのかを見失いかねないおそれはありますが、それを補ってあまりある勢いが、作品全体に満ちているかと思います。

で、お嬢が可愛いです。都さんグレート。脳内CVが浅川悠になってしまったのは、彼女の雰囲気がつぐみんに似ているからって、このネタ分かる人少なそう。これはいいツンデレですね。というか不器用で、優しくて、臆病で、なんだこの完璧超人は。冬麻のパートナーの泉嬢も初々しいし、都さんに付き従う八千代さんの、献身ぷりも泉への友愛も、ちょっとしたドジっぷりも愛おしい。関西弁の人? 彼女は春太と不可分ぽいし、引っかき回すだけ引っかき回すムードメーカ的な存在で微妙に選外。うは、何この夢のような楽園風景。

とまぁ、学園ミステリかと思っていたら、意外に恋愛小説していて非常に楽しめました。主な登場人物の誰も彼もが、傷を抱えていたり、赦しを求めていたり、偽悪的であったり、あるいは偽善的に振る舞ったり打算で動いたりと、一筋縄ではいかないくせ者ばかり。先の楽しみなシリーズなので、さくっと読み進めちゃいましょう。

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