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灰色のアイリス〈5〉

灰色のアイリス〈5〉

読了。

大団円!

よくもまぁ、あのカタストロフからここまで持ち直したものです。灰色の異空眼の意味が明らかになった段階で、世界の根本的な問題の解決方法はこういう手段しかないだろうとは思っていましたが、そこへ至る過程での、各キャラの獅子奮迅の働きが光る最終巻でした。出番はもうないだろうと思ってた前巻の響紀一派の生き残りも見せ場あったし、思い返してみれば主要なキャラがほとんど死ななかったのははじめてでなかろうか? 名もなき群衆は大変なことになってしまったけれど……。

振り返ってみれば、異空眼者の存在それ自体が、始祖・始空の違えによる罪であるという事実は重く、それによって生み出されてしまった天浄百門ノ御華吐に住まう生命を奪ったという業は、これから奏をはじめとした異空眼者が背負って生きていくという苦みも感じる部分もありますが。正しくないかもしれないけれど、決して間違っていない、奏にいわせれば彼らの決意はそこに集約されるのでしょう。

巻を追うごとに、知らない感情に打ちのめされ、最期には絶望でなく幸福を抱いて天に召されたイリスと、彼女を救った未来。光と影のように不可分な両者が、通じ合えたことにこそ、未来が愛した世界の美しさが象徴されているように思えました。

エピローグの未来の笑顔こそが、彼女の名に託された意味そのものであると、そう感じられるエンディングでした。

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