哀しみキメラ〈2〉

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哀しみキメラ (2)読了。

前巻の終わりは、悲劇的ではあるけれどそれなりにきれいだったのだけど、なるほど、この展開の仕方なら続けようと思えばどこまでも続けられるかも。

すでに半分以上、人間ではなくなりながらも、人間であることにこだわるキメラとなった主人公たちの、きれいには生きられなくとも生きていたいという静かな願いが伝わってきます。周囲からは敵視されこそすれ味方は皆無に近く、ひっそりと生きながらえてきた彼らの時間は短くとも重く感じられます。七倉との関係も、割り切れないものを互いに抱えたぎこちないものながらも、彼が主人公らに非常に近しい理解者であると思えたのも救いの一つでしょうか。

事件を通して真里との間に生まれた絆は、別れてしまった後もきっと切れないし、真里の中に生まれた気持ちは、きっと彼女が今後生きていく中で、かけがえのない経験として糧となるでしょう。別離という結末は前巻と同じながらも、そこに感じた印象はずいぶんと変わってます。生き方に妥協しつつも生を諦めない主人公たちを、淡々と描写する作者の文体は、作品世界の雰囲気と非常にマッチしてるように思います。悪く言えば盛り上がりがないのですが、これはこれで哀愁がありますね。

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