pulp III

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pulpIII読了。

非日常にあこがれ、そこに身を置いてみたら、退屈だと思っていた日常の価値に気付かされてそこへ回帰してくる。結局は現状に飽いてしまうと、別の世界へあこがれ、けれどいつかはその別世界にも慣らされてしまうという、そんな当たり前のお話。父親との確執や、彰との関係の変化など、物語の最初と最後で変わったものもあるし、治ることのなかった自傷癖のように、依然として変わらないものもあったり。ただ、その自傷行為自体が彰との繋がりを実感するという価値を持ったという点においては、他者から見れば無意味に見えても当事者同士には大切な行為に昇華されたのかもしれません。

主人公勢と敵対勢力の決着があっけないというか、最後まで後手後手に回ってしまったせいで、勝った気がしない――事実、勝利とはほど遠い終局かも ――のがすっきりしない原因かな。まぁ、一般人を大きく逸脱するほどの地力があるようには描かれてこなかったので、その辺も含めてリアルに徹したともいえますが。一部、嬢がパワーアップするシーンはどうかなとも思うのですが。

終わり方がやけにあっさりですが、後日談は少しだけ幸せに描かれているのが良かったかな。

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