吉永さん家のガーゴイル〈4〉

2013年4月18日

吉永さん家のガーゴイル〈4〉

読了。

ガーゴイル誕生秘話。タイムスリップをしたり、兎轉舎のお姉さんが引っ張り出してくる道具というのはドラえもんのそれを彷彿とさせますね。幸せのために作られた道具というのはとても夢がある。

今回はそんなお姉さんの若かりし頃。ガーゴイルがいかにして生まれたかという事件を、双葉と和己がガーゴイル自身が追体験。こういう構成も上手いですな。ガーゴイルが吉永家の門番になる以前の自分を見ることで、今現在の自分の境遇が非常に幸福なものであるということを暗に示したりと。

現代では脳天気で破天荒なお姉さんも、そこへ至るまでの長い時間でたくさんのものを失っていたりと、結構ヘビーな背景が明かされてちょっと驚き。時間の流れで心の傷は少しずつ癒されつつも、その変わらない外見とともに、誰かを幸せにするための錬金術を未だに信じているあたり、結構一途なお人ですな。あの性格がどういう風に醸成されたかは置いておくとして(笑)

今回も良いお話でした。満足満足。