吉永さん家のガーゴイル〈11〉

2013年4月18日

吉永さん家のガーゴイル 11

読了。ようやく追いついたー。

時間はすっ飛んで早クリスマス。入院している双葉のクラスメイト・吾郎を喜ばせるために、あのゴールデンボーイズまで再登場して大騒ぎの予感……と思いきや、思ったより静かな感じで物語が進んでいきましたね。

これまで会話することが困難だったオシリスもヒッシャムの機転で普通に会話できるようになったし。てかこれ応用すればイーハトーブ式交換装置なんてあっさり小型化できてしまいそうな気が。そんなオシリスにも見られた感情の芽生えとかもなかなか良い感じ。御色町に済めば誰も彼も丸くなってしまうのか。

もともとが無機物だったり植物だったりと、生まれ落ちた段階では人間と交流することすら想像だにしなかったであろう、錬金術の落とし子たちの人間味が増して行くのを見るのも楽しいですね。双葉の成長とともに、ガーゴイルもだんだん人間に近づいていくような。またシリアスパートに入ったら、その辺で悩みそうな気もしますが。

一種のお祭りだったクリスマスの催しの後の、寂寥感も悪くはないですが、吾郎が目標を持ったその後に、さらにご褒美を上げてほしかったなぁ。親として吾郎を心配しているという気持ちがその後はしっかり届いたのだろうけれど、そういった心温まるシーンの描写にこそ田口仙年堂の地力が活きると思うので。