シリアスレイジ〈5〉 南溟奇譚 下

2013年4月18日

シリアスレイジ〈5〉 南溟奇譚 下読了。

様々な思惑が絡み合い、乗船船舶の爆破、遭難のコンボを喰らってしまった篤志と五乃坂。陸上以上に過酷なサバイバルにもなり得ない絶望的な状況に置かれた極限状態の心理描写はなかなかのもの。彼らを救おうとする面子と妨害工作に従事する勢力、三つどもえかそれ以上の乱戦状態のなか、それでも様々な幸運が重なって篤志らは一命を取り留めます。どれか一つでも要素が欠けていたら助かる見込みはなかったし、ともすればご都合主義になりえそうな展開なのですが、ぎりぎりのラインでしょうか。まぁ、ツキに見放されることのない強運も優秀な採集者の資質ということで。

このシリーズは、一流の採集者を目指す篤志と、彼とともに道を進もうとする友人たちの物語かと思っていたらい、どんどんきな臭くなっていきますね。篤志の持つ、適合者という特異な資質はともかく、裏で暗躍する超一流の採集者らは、人外のレベルに達しているような気がするのですが。適合者にしても、いつの間にかサイヤ人的設定が追加されてるし。残り2巻で完結ということですが、総力戦の様相を呈したバトルものとなるのやら。

篤志のもとを去っていった貞教はこのままフェードアウトしてしまうのかとか、影の薄いヒロインの栞の篤志との関係は進展するのかどうか。張られた伏線を上手く回収してくれることに期待。