SAS スペシャル・アナスタシア・サービス

2008年8月14日

stars 某国の後継者争いに巻き込まれ 護衛に現れたのは美少女3人の特殊部隊員

平凡な毎日を送っていた立夏・沙友の兄姉は、学校からの帰り道、突然謎のグループ同士の銃撃戦に巻き込まれる。ふたりを半ば攫う形で助けたのは、リヴォニア公国から派遣されたアナスタシア、フランツィスカ、エーファ。リヴォニアの王女であると突然告げられた沙友を中心に渦巻く様々な思惑。無力感に苛まれる立夏は、そんな中、一つの決意を固める。

唐突に訪れた美少女3人との同居生活。そんなドキドキを予感させるシチュエーションを吹き飛ばすかのように結構シリアスに話が進んでいきますね。序盤の説明過多な部分はともかく、立夏や沙友たちの微妙な立場、与り知らぬところで着々と進行する政治的な取引、事件の最前線とは別の次元でそういったストーリーも進行して、緊張感などはなかなかあった感じです。

良き兄であろうとする立夏は、妹の沙友を第一に考え、兄姉という関係が崩れたときにも自分の感情よりも、妹の気持ちを慮るような出来過ぎた理想の兄像ですね。逆に沙友の方はわかりやすいくらいに、兄への好意を表しているけれど、それが肉親に対する愛情なのか、それとも異性としての愛情なのか、その辺がまだ具体的な形になってないような感じ。苛烈な事件の中で、そういった感情を意識する余裕がなかったような展開ですが、一段落した今後は、立夏を巡ってアナスタシアとの三角関係が進んでいくのかな? タイトルにもなっているアナスタシアの方は、立夏との関係はチームとしての信頼関係に基づいているので、恋愛感情に発展しそうもないけど、その辺は立夏の決断次第といったところなのかな。

アナスタシア以外のキャラについては、見せ場らしい見せ場があんまりなかったような。感情移入しきれずに、上手く理解できてないかな。もっともアナスタシアと立夏のチーム結成も唐突といえば唐突で、そこからの感情の動きもちょっと急な感じはしたので、序盤のじっくりとした展開と、後半の性急な展開とで、構成は微妙な感じだったのかなという印象ですね。
続刊の予定もあるようですが、自らの立場が明確になってしまった彼らが、今後日常を送っていくことができるのかどうか、さらなる大きな陰謀に巻き込まれるのか、気になりますね。

hReview by ゆーいち , 2007/08/27