カッティング ~Case of Tomoe~

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stars 傷を負っても生きていくしかないから

自分を兄と慕う従妹の光瀬灼と学校へ通う主人公・紅条ケイイチロウのクラスへ、転校生がやってきた。同じ苗字を持つ少女・紅条トモエは彼を兄と呼び、いつの間にか光瀬家に身を寄せることになる。なぜかケイイチロウに憎悪を向けるトモエ。その理由はいったい?

自分を幸せを感じることのできない欠陥品と断じ、幸せな家庭で生きていくことに密かに罪悪感を感じる主人公。その境遇から兄を恨むことで生を繋ぎ、復讐のために自分を疵付けることを選ぶしかなかった少女。不器用で、他者との関わり方の「普通」を掴めなかったふたりが一端の幸福に、そっと指をかけるまでの物語。

シリーズものながら、前作との関わりはほとんどなくて、登場人物も一新。一部、前作の物語の片鱗が作中で語られることはありますが、これはこれで独立した物語で楽しむことができました。

物語の構成に多少の仕掛けは仕込まれてますが、あとがきの通り、比較的早くそのトリックに気づきましたが、それ自体がメインではなく、やはりここはふたりの関係の移り変わりをこそ感じるべき作品ですね。

傷つききってしまったふたりの、その傷の理由はどうしようもないもので、まさに運命に弄ばれたかのような波乱の果てにようやく得ることができた、ふたりだけの絆。道具扱いされ、生まれを呪いつつも寄り添い、手を携え歩みゆくことを選んだ茨の道は、決して新しい傷を得るためだけのものではなく、いつかは辿り着ける、幸福への道程でもあるのでしょうか。

いい感じに面白くなってきたシリーズ。次も期待できそうです。

hReview by ゆーいち , 2007/12/09

カッティング ~Case of Tomoe~

カッティング ~Case of Tomoe~ (HJ文庫 は 1-1-2)
翅田大介 も
ホビージャパン 2007-12-01
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One Trackback to カッティング ~Case of Tomoe~

booklines.net
booklines.net 2007年12月9日 at 21:09:29

[翅田大介] カッティング Case of Tomoe

夏休み明けの朝、クラスメイトが転校生が来るかもしれないと言い出して、ざわつく空気の中、彼女は教室へ入ってきた。涼やかな風貌を持ち、品のよいお嬢様といった雰囲気を持つ女の…

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