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修道女エミリー―鉄球姫エミリー第二幕

stars 若き騎士グレン登場 エミリーへの憧れを完膚無きまでに砕かれる第2巻

若き護衛騎士グレンは父からの命で、今はエミリー修道院の長となっている鉄球姫エミリーの護衛に赴く。師が彼女を評した「それは孤高の赤き花」の言葉を信じ、憧れを抱きつつ訪れた修道院でグレンを迎えた本物のエミリーは、その言葉からほど遠いような存在で……。

使命に燃えるグレンと、彼の背景を知っているがゆえに頑なに彼と反駁するエミリー。ふたりの出会いと、互いの譲れない思いが新たな事件を呼ぶ第2巻。

グレンの家が、ノーフォーク家であるという時点で、エミリーらが彼を警戒するのは当然のことで、むしろジョゼフ卿の執拗さが印象に残りますね。彼の息子らとの会話を見ると、彼らは真に国の行く先を案じているということが良くわかります。けれど、国の安定のために王女を暗殺するという手を採り続けるというのが今後、吉と出るか凶と出るか……。

グレンは、そんな策謀からは遠い場所にいて、だからこそエミリーを真剣に護衛したいと願っているのに叶えられない。その理由を知らされたときの彼の衝撃たるや。その衝撃覚めやらぬ間に、再びエミリーらを襲撃する亡霊騎士たち。その中にいるとある人物の言葉に揺さぶられながらも、殺すか殺されるかという極限の選択の中で、グレンが見いだした答え。彼の師の言葉を愚直に信じ、たゆまぬ鍛錬で磨き上げてきた彼だけの技がようやく開花して……。そんな彼のまっすぐさがあるからこそ、エミリーの信を勝ち得たのでしょうね。

戦いの規模とか激しさとかでいうと、前巻がかなりなものだったので、さすがにそれと比べると若干パワーダウンを感じますが、逆に登場人物達の成長だったり、気持ちの交わりだったり、そういう方向での深みは増してきた感じでした。

エミリー暗殺の黒幕はこれではっきりとしましたが。今後どういう手を打っていくのか? 鉄球姫たる彼女が、このまま待ちの姿勢を取り続けるとは思えません。さらに破天荒な活躍を見せてくれるのか、あるいは別の方向へ展開していくのか、期待です。

hReview by ゆーいち , 2008/01/14

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