ラッキーチャンス! 〈2〉

2008年8月18日

stars わたしは、お前のことをこのまま“大好き”でいて……いいのか?

校長の機転で雅人の“妹”として二之宮さんに紹介されたキチは、なんだかもやもや。そんなある日、雅人の噂を聞きつけて、二之宮さんの兄・速彦が登場。妹を溺愛する速彦はあの手この手で雅人を排除しようとするけれど、二之宮さんには頭が上がらないみたい。そして、彼女の誘いで雅人がデートすると決まり……。
そんなドタバタな日常の裏側には、ふたりを監視すべく派遣された特命霊的捜査官・天草沙代の影が。

[tegaki]キチ、かわいいよ、キチ。[/tegaki]

いやぁ、前巻でも溢れんばかりの可愛さでしたが、“大好き”な言葉を得た彼女は、さらに加速しています。誰憚ることなく、その言葉を声高に告げる彼女の無邪気さと一生懸命さはなんとも愛でたくなりますね。不幸だ不幸だと言いながら、キチと二之宮さんに慕われて、この、ラッキースケベめ!

けれど、不穏な空気も漂っていて。天草沙代の登場で、キチがかつて疫病神であったという事実が、今後大きく物語を左右しそうな要素に。存外に大きな力を持っているっぽいキチが、雅人ひとりのために、その力を善いことに使うのか、あるいは、悪しきことに使うのか、その手綱を握っている雅人の動向とともに、彼らの運命は大きく加速していきそう。

基本、コメディで、楽しさ全開で読んでいて非常に気持ちが良いですね。シリアスに展開するシーンも、殺伐となりすぎず、そこはかとなく優しさが感じられてすっきり。いやいや、かなり先が楽しみになってきました。

天草さんは、なんだかんだといって、雅人にデレそうだなあ。あのギャップがたまりません。あと、兄は異常。なに、あの変態(笑)

hReview by ゆーいち , 2008/02/17

ラッキーチャンス! 2

ラッキーチャンス! 2 (2) (電撃文庫 あ 13-21)
有沢 まみず
メディアワークス 2008-02-10