マージナル〈2〉

2008年8月18日

stars 新たな猟奇殺人事件の幕開け そして京也の失われた3日間の真実が明らかに

エスター公爵の娘事件が人知れず解決してからしばらくが経った。ブラッディユートピアの管理人・ヴェルツェーニと対話を望んだクロウメモドキは、エスター公爵の娘をヴェルツェーニが殺害したと指摘し、これから自分が起こす殺人事件に関わらないよう言ってくる。その言葉通り発生する殺人事件。全身を大小様々な石により打擲され殺害されるという奇妙な方法で……。

3巻に続いてしまった。一応4月に続刊が出るということで待たされることはあまりないですが、これまた良いところで続いてしまったなあ。普通に1冊で解決するものだとばかり思っていたので、これは意外。逆に、あと1冊使って何をやろうというのか。

京也のかつてを知る少女・宇佐美風香と、京也の妹・蘭が登場。今回の話にあまり関わってきてないのですが、3巻で何か大きなどんでん返しでも用意されているのかな。

しかし、物語の流れは違うとはいえ、登場人物の構成がなんとはなしに『みーまー』とダブってしまうなあ。あの作品ほどぶっ飛んではいないけれど、逆に変なブレーキ踏んでるようで突っ込みが足りない気がします。

まぁ、一線を踏み越えない、境界に立つというマージナルの役割に頑なにこだわっている京也のキャラなのかもしれないですが、やっぱり印象薄かなあ。彼の衝動の根源となりつつある御笠との関係がかなり不安定になってきているので、そこでどうなるか。

犯人はすぐに分かるんで、あとはどうやって解決するかを見ていく話ですが、それとは別に主人公の京也の過去とかも明かされて、彼が大きく変わってしまった理由なども語られています。けど、やっぱりいまいち重く感じないのは、淡々とした説明的な文章のせいなのかなあ。ともあれ、やはり先は気になります。

hReview by ゆーいち , 2008/02/27