ルナティック・ムーン〈2〉

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stars 私の命は私のもの。その責任を、あなたに背負わせてやるもんですか

エデンにて、ウェポンとしての生活を始めたルナ。彼は稀存種としての力を十全に発揮できず、周囲の足を引っ張る自分に苛立ちと諦めを感じ始めていた。そして、先の戦いで全治2週間の怪我を負い、療養中のシオンもまた、戦いに身をおけないことに、弱くなることに強迫観念にもにた焦りを感じていた。そんなある日、作戦を統轄することになった第二稀存種・カロマイン=セクは、ルナに言う。「稀存種を教えてやろう」と。

今回もばったばったと人死にが出ます。もう、容赦なく。自分に唯一優しくしてくれた人間が目の前で、っていうのはまさに奈落の底へ突き落とすかのような展開。精神的に未成熟で、まだ生まれたてのような少年のルナが、どんどん絶望に塗り込められ黒くなっていくようで。そんな彼を染め上げようとするカロマインの思惑とか、単なる趣味ではなさそうだけれど?

そして、自らの生まれと、それからの半生の境遇で、他人を避け、ケモノへの憎悪のみで生きてきたシオンは、前巻のシュシュの死を境に変わりつつあるようで。彼女を癒そうとするレイン女史と、憎まれ口を叩きながらも共闘するかっこうになったセールのふたりは、彼女の良き理解者、良き友となれるのか? あんまり仲良くなると、その後の展開で大変なことになりそうだけれど、辛い生を歩み続けるシオンの、ひとときでも安らぎとなってくれれば……。

過去にエデンを去った謎の人物の影が登場。なんとも分かりやすい悪役然としたセリフを吐いてくれましたが、その思惑とは一体何なのか?

エピローグで、少しだけ距離感を縮めたルナとシオン。ともに強くなりたいと願いつつも、隣りで戦ってくれる誰かが居なかったふたり。そこで交わされた会話は、戦場に身を置く人間にとっては、叶わぬ約束になる可能性はあるけれど、そこに込められた意志は、決意は、きっと尊いもの。少しだけ笑い合えたふたりの姿が、微笑ましくも切ないラストでした。

hReview by ゆーいち , 2008/03/20

ルナティック・ムーン 2

ルナティック・ムーン〈2〉 (電撃文庫)
藤原 祐
メディアワークス 2003-12

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