樹海人魚〈2〉

2008年8月25日

stars もう二度と泣かない。だから奈々、お願いだ。力を貸して欲しいんだ

酸月との戦いで、月型郡のDo-orは疲弊していた。有能な指揮者を失い、残された指揮者のひとり、ミツオはその姿を幼い子どもへと変えていた。そして、ようやく復興し始めた月型群へ、あらたな人魚が訪れる。そこにある街を飲み込み、彷徨市へと変貌させる、女帝の尖兵たちが。

話をすっかり忘れていました。読んでいる最中に思い出そうと四苦八苦しましたが、読み終わってみれば、あんまり覚えていなくても問題なかったなあという感じです。

このシリーズ、中村九郎作品の中でも、ずいぶんと読みやすく、さらにまっとうにライトノベルしているんですが、やっぱりキャラクターの会話と思考が一瞬にしてぶっ飛ぶのは変わってません。直前で言っていたことをあっさり翻したりはお手の物、自分が何言ってるか分かってないんじゃないかって会話が良くありますが、なんかそれが変な中毒性を生んでいるのかいないのか。

主人公の、ミツオがなんとも優柔不断で、そのおかげで今回のエピソードを通して、霙と奈々というふたりの人魚から取り合いになってしまうという、命がけの三角関係に持ち込まれてしまって、この先どうなるやら。当人たちの気持ちが、ようやく定まったというところなので、このまま修羅場なのかなあ。

何気に、重要人物だったひとが退場したりと、大きな展開があったんですが、よく分からない。Do-or内にてひた隠しにされている事実は、この作品の世界観を根底から覆しかねないだけに、どう料理してくれるんですかね?

hReview by ゆーいち , 2008/04/14

樹海人魚 2

樹海人魚 2 (ガガガ文庫 な 1-2)
中村 九郎 羽戸 らみ
小学館 2008-03-19