れでぃ×ばと!〈6〉

stars ……なら、これでようやく対等に戦えるということですわね

『トライアクアランド』優待ペアチケット(注:秋晴付き)を賭けて勃発したセルニアと朋美の体育祭での対決もプログラムを順調に消化しつつ、朋美の優勢は崩れないまま。勝負を決めるのは最終種目の騎馬戦。果たしてチケットを手にするのは、そして、嬉し恥ずかしデートの行方は……?

というわけで、体育祭の決着はともかく、本命はその後のトライアクアランドで繰り広げられる、(秋晴からは見えない)女の戦い。

幼なじみのアドバンテージを活かして、セルニアに対して予防線を張りまくっていた朋美ですが、ここにきてついに追いつかれた感。そして、ようやく自分も秋晴に対してまじめに向き合おうと考え始めるお話。

もっとも、朋美にとっての秋晴の位置づけは、未だに一番信の置ける男友だちレベルで、そこから恋愛へ発展させようという気持ちが薄いのがどうなのかなあ? 彼女にとって、秋晴はどうしても手に入れたい唯一無二ではなく、彼女が彼女として在るために、あるいはセルニアのようなコンプレックスの対象となるひとへの対抗のために、たまたまセルニアが秋晴を意識しているから張り合ってみました、と取れてしまうのが違和感ですね。彼女にとって、恋に恋するというより、打算含みで動いてるのかなあ。まぁ、どこかで反転してデレてしまったら、それこそ修羅場まっしぐらではありますが。

セルニアの方も、少しずつ秋晴との距離を縮めて来てます。ここに来てようやくお互いの名を呼び合うなんて、遅々とした歩みですが。それよりもっと先に、なんか大変なことをいろいろしているような気がしますが。彼女も朋美に、朋美がセルニアに感じるような何かを抱いているわけで、わかり合えても馴れ合いはしない、それこそ好敵手として、三年越しにして今さらながら向き合えたといったところでしょうか。なんだか妙な三角関係に発展しつつありますが、メイン所の他にもフラグの立ちそうな女性キャラはたくさんいるし、まだまだ先は見えてませんね。

最後の大地とのお話は、危険な雰囲気ですなあ。いい加減、秋晴も気付けよというツッコミも入れ疲れますが、大地がどんどん乙女チックになっていくのがニヤニヤ。そろそろ、その気持ちを自覚して、同室という逃げようのないシチュエーションに悶々としつつ、慌てふためいてほしいものですな。

hReview by ゆーいち , 2008/04/29

れでぃ×ばと! 6

れでぃ×ばと! 6 (6) (電撃文庫 こ 8-12)
上月 司
アスキー・メディアワークス 2008-04-10