人類は衰退しました〈3〉

stars かなしいおしらせです。いとまごいに、きたです

人類のすべてを記録するための、ヒト・モニュメント計画が実行に移されることになりました。クスノキの里で暮らす私たちのところにも、都市遺跡調査のための給電のおこぼれとして、電気がやってくることになりました。賑やかに盛り上がるわたしたちとは裏腹に、妖精さんたちはなんだか元気がないみたいです。そして、突然の里帰りのお知らせ。お別れの際に妖精さんからもらったまぬある(マニュル)には、なんだか物騒なことも書いてありますよ? これは、もしかして身の危険……?

ほのぼのから一転してシリアス風味の第3巻。都市遺跡の調査に訪れたわたしと助手さんは、うっかり謎の乗り物で都市の何処とも知れない場所に放り出されて、レッツサバイバル! なお話。

何気にデンジャラスな雰囲気が漂っていたのは、まさに妖精さん不在のためのリアルな現実がそこにあったからなのですね。そして、科学の目では観測できない妖精さんの存在は、まったくもって不思議! 終盤の方の展開は、なかなかに予想の斜め上で、驚かされたりもしましたが。

大事な計画も、初期段階で躓いたかのような雰囲気ですが、人類はこれからも計画を進めていくのですかね? そして、最後の報告書にあったわたしへの処罰はどこまで現実味があるのやら。妖精さんとのまったりゆったり終末ライフをゆるゆると綴るお話だと思ったけれど、なるほど、そんな一筋縄でいくようなお話ではないのかもしれませんね。

hReview by ゆーいち , 2008/05/03

人類は衰退しました 3

人類は衰退しました 3 (ガガガ文庫 た 1-3)
田中 ロミオ 山崎 透
小学館 2008-04-19