ご愁傷さま二ノ宮くん〈9〉

stars どうせ、おれがいずれ向き合わなきゃいけないことだから。だったら先延ばしにするんじゃなくて、今すぐにやらないと。

二ノ宮家は瓦解した。それは、帰るべき家の崩壊ではなく、そこに住まうひとびとの離散を意味している。麗華は去り、真由は消えた、そして、涼子と美樹彦は他の十氏族と日本の覇権を賭けた暗闘に身を投じる。ひとり残された二ノ宮峻護は、混迷を極める現状を打破すべく、すべてを取り戻すために記憶を辿る旅路を進む。全ては彼がふたりの少女と出会った10年前に始まっていたのだから。

……ううむ、前巻の展開がほとんど意味なくないですか。というか、峻護が記憶を取り戻す、なんて選択肢を今さら選ばせるために、ヒルダなんてチートキャラを出したのでしょうか。

ってなわけで、ほぼ全編が峻護と真由、麗華が初めて出会った10年前の過去話。しかし、そこで何かが明かされたわけではなく、最終巻への引きでしかないので、単巻で見ると盛り上がりはないは、ガキの峻護は仮面被ってるような良い子ちゃんでムカつくわ、いろいろと不満が募ってしまいますね。

ヒロインのはずの真由の出番はないし、麗華さんもなんだかなあな境遇に。

果たして、これからどういった展開を見せて、大団円を迎えるのか、迎えないのか。未消化の伏線多すぎるし、けれど、それを理由にした駆け足じみたラストエピソードは勘弁ですね。

hReview by ゆーいち , 2008/06/26