女帝・龍凰院麟音の初恋

2008年10月25日

stars 高校一年の夏休み、たぶん俺は《運命の恋》をした。

月見里悠太が目覚めると、そこは知らぬ屋敷の一部屋だった。その屋敷の主にして、学園の女帝と恐れられる龍凰院麟音は、悠太を前にして告げる。自分と悠太は夏休みの間に恋に落ちたのだと。時は八月二十四日。夏休みが始まってから今日までの記憶はなぜかなし。麟音の身の潔白のために一週間以内に、ふたりの間に何もなかったことを証明しろと脅された悠太の、夏休み最後の一週間が始まる。

おっぱい好きの俺が、貧乳に恋するなんてあり得ない! と全力で断言できる悠太のバカさと潔さにほれぼれするやら呆れるやら。記憶を失くしつつも、お相手と目される麟音は、それでも学園でもとびきりの美少女で、だけど、巨乳じゃないからと切って捨てるお前は何ものだと(笑)

そんな感じで、かみ合わない悠太と麟音の記憶を取り戻すための恋人ごっこはお話。話の流れはギャグメインで、その勢いに付いてこいと言わんばかりのハイスピードですね。なんか、もうちょっとデートの場面とかはいろいろ描いてほしかったけれど、つんけんしていた麟音が、少しずつ本性を現してきて、その実、結構可愛い子だったり的なお約束だけど手堅いシーンはばっちりですね。てか、麟音がテンパったときのろれつの回らない口調は、ホント可愛いなあ。

しかし、終盤の物語の決着の付け方はどうなんだろうなあ。もしかすると、悠太と麟音が正式に恋人になるために、一番大きいかもしれない問題が、あんな形で片付けられるとは。作品の方向性として、あんまりシリアス方面に踏み込むつもりがないのかもしれないけれど、今後はドタバタのラブコメへとひたすら突き進むのかな?

というか、一巻まるまる使ってプロローグ扱いだし、これから始まる学園生活で、麟音との恋人関係を隠しつつ日々を送っていかなければならない悠太の未来に幸せはあるのかい? おっぱいおっぱい連呼するような彼には回避不可能的な乳の持ち主がいるし、そんな感じで女の戦いも繰り広げられたりするのでしょうか。

そもそもの記憶喪失の中身も明かされていないし、しっかりと伏線回収してほしいですね。

hReview by ゆーいち , 2008/08/25