生徒会の日常 ――碧陽学園生徒会黙示録1

stars 待つのよ、真冬ちゃん。それは早計よ。鞭なら、普段から私も持ってるわ。極めて一般的な持ち物よ、これは。

事件は生徒会室の外でも起きている。杉崎鍵は副生徒会長としての顔以外にも、誰にも知られることのないもう一つの顔があった! 教室で、通学路で、自宅で、生徒会メンバー以外と送る、杉崎の日常が今、明らかに! 謎の転校生・中目黒君(美少年)も本当に転校してきて、真冬ちゃんのテンションも限界突破です!!

妙なテンションで突っ走る生徒会シリーズの短編集。生徒会室を飛び出して、皆が皆フリーダムにやってるもんだからさらに収拾付いてないような。いいぞもっとやれ。

相変わらず、ぎりぎりのネタを付いてくるけど、他社作品ネタ大丈夫なのかなあ。笑えるから読む方としてはこの調子で怒られても続けてほしいけど。

本編はなんだかシリアス度が高まったところで続いてるけど、短編集は読み切り形式なのでやたらと気楽に読めますね。杉崎のクラスに中目黒君が転校してくる件は、自分の良いひとっぷりが仇になって、どんどんフラグ立ててる彼の姿が、憐れみよりも笑いを誘います。新キャラのスペース姉弟も脇役にしておくには惜しいくらいの変なキャラなので、今後も短編でいじられまくってほしいかと。

にしても、本編以上に杉崎が主人公らしく活躍してるのを見ると、妙な気分に。なんだ、お目当ての子以外には、普通に格好良く振る舞えるんじゃないか。そんなヘタレさも彼の彼たる所以みたいな感じで、微笑ましく思えてしまいますね。

hReview by ゆーいち , 2008/09/27