SH@PPLE〈3〉

stars わかんないけど、ユキグニたちが困ったりして喜ぶようなボクはダメなんだ。それじゃきっとダメなんだ。

学内の新聞・青美日報に「若光の君、男性疑惑」を報じられてしまった雪国は、舞姫と相談し、ほとぼりが冷めるまで入れ替わりを中止することに。そんな事情を知らない蜜は、舞姫をデートに誘って雪国はやきもき。そして舞姫の方も自分がいなくても上手くやっているっぽい SEC の面々に不満を覚えてしまって。そんな状態で、五中と青美の合同で参加するリバーフェスタの準備、間に合うの?

それぞれの立場があるから、譲れない部分もある。以心伝心通じ合っているように思えた雪国と舞姫も、それぞれの学校で築いてきたもの、入れ替わって得たもの、いろいろなものがあって。今回は些細な齟齬と、ちょっとした嫉妬、そんなことが原因で生まれてしまったわだかまりにみんなが振り回される物語。

問題の原因となった、雪国の正体を誰が知っているのかというのは次巻以降に持ち越されてしまったけれど、リバーフェスタでの優秀賞を巡る、青美内のソロリティと生徒会の対立の構図が、長船さんの参戦をきっかけに激化してきてる印象。こういう陰険じみたエピソードはちょっと怖いですね。

それもまた、雪国のソロリティへの肩入れとも見える行動が原因の一端ではあるのがいかんともしがたいわけで。彼にしてみれば蜜と親密になりたいがゆえの必死のアピールですが、それもまた、あちこちに誤解を招いてるし。蜜の気持ちは結構傾いてるんですが、それが舞姫へと向かっていると思い込んでるのがさらにこんがらがっている原因ですね。いったいどうなるんだろう。

舞姫は相変わらずマイペースで、自分の我を通す強さは持ってるけれど、それもまた善し悪し。自分の抱いている気持ちが、どんな種類なのかに気付けない不器用さは姉弟ならではだけれど、お互いの正しい居場所が反転しつつある現状、この先まだまだ波乱含みの予感。

五中の生徒会長の鳥子さん、分かりやすい態度でにやにやできますね。雪国に対するつっけんどんな態度と、昔の思い出で生まれたであろう気持ちを思うと、彼女は報われなさそうだけれどがんばってほしいところ。次巻で見せ場はあるのでしょうか?

持ち越された問題の決着と真相解明な次巻が楽しみです。

hReview by ゆーいち , 2008/10/04