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ダブルブリッド〈6〉

stars ……あのアヤカシは……自分を殺そうとして、隊長を殺そうとしました……だから……だから……自分が殺します……。

EATとの演習に米軍も参加することになり、捜査六課のかつての面々がアヤカシ役として協力することになった。懐かしい面々との会話に和む優樹の心。しかし、共同演習とは名ばかりの独自行動を取る米軍は、その演習の最中、とある目的を持って行動を開始する。演習は実戦に変わり、人間と怪が互いの血を流し合う。

色々と終わってしまう第6巻。

もう、取り返しの付かない状況を全力でぶっちぎっていますが、このままどんな結末へと収束しようというのか、この物語は。

変質していく優樹と太一朗の内面。本来相容れない存在同士の人間と怪の殺し合い。そして、かつて“主”を殺めた鬼斬りの始祖・童子斬りの出現と、ここまで来たらひたすら互いに命を取り合う以外に、選択肢が残されていないんじゃないかというまさに鬼のような展開ですね。

太一朗はもはや自分の使命ではなく、その内に巣くったものの意志でのみ、怪に相対することができないのか。彼と大田が最後に交わした会話は、大田なりの彼への気遣いの現れにも思えますし、彼自身が気に入っていた太一朗と、もはや言葉を交わすことさえもできないことへの未練さえも感じられてしまいます。あの時点で、どちらがより本質的に化け物じみていたのか。そして、太一朗はこれからどんな選択を為すというのか。

優樹自身もかつてないほどのズタボロな状態に。道を別っても、どこかで信じていたはずの太一朗が、彼女にとって決定的に「敵」となるような展開で、そして彼女自身も瀕死の状態。これ以上、傷つく道を歩んでほしくはないと思いつつも、彼女を思い、静かに動き始めた八牧の行動が、さらなる修羅道を選ばせそうで怖い怖い。

待望の怨敵を発見した“主”も優樹の身から切り離されましたが、彼自身の行動も、予測が付かないのが不安の影を落としますね。

hReview by ゆーいち , 2008/11/23

ダブルブリッド (6)
ダブルブリッド (6) (電撃文庫 (0566))
中村 恵里加
メディアワークス 2001-07
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