ダブルブリッド〈8〉

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stars 何だ、結局喰うこと考えてるじゃねえか、俺は。

兇人と成り果てた太一朗の手により、八牧は殺された。その事実を知った元捜査六課の面々は、それぞれの方法で太一朗への復讐を誓う。そんな中、虎司は飢餓を覚える。人間が喰いたい、その衝動は彼に最も近いクラスメイト・安藤へ向けられる。喰いたいけれど、殺したくない、その狭間で苦しむ虎司は、安藤への態度を変え、そして彼女はその変化に気付いていて……。

終わりへ向けて加速していく物語。その先には断崖絶壁が待っていて先などないように思いながらも一縷の希望を捨てきれないのは甘いんでしょうかね。

八牧の死は、元捜査六課のアヤカシたちに大きな衝撃を与え、彼らを復讐へと駆り立てます。傍観者としての立場を堅持し、乞われなければ積極的に干渉することもなかった大田さえも、その立ち位置を変えざるを得ないほどに。

そして、壊れていく優樹の身体と心。浦木によって継ぎ足された手が禍々しいし、だんだんと思い出せなくなっていく過去の記憶が、どうしようもない結末を予想させて切なくなりますね。彼女が仇を討つべき相手の名、それを知ってもさしたる感慨を抱くことができず、そして薄れつつある記憶の中をよぎる誰かが、同一人物だと分かることもできず。彼女がそれを悲しいと思うことさえできないこと、それがひたすら悲しく思えます。

一方、虎司と安藤さんの関係も、また破滅的な方向へ向かいそうな雰囲気。これまで忌避してきた人間を喰うという衝動が、ここにきて彼女へ向けられたというのは、彼の本性と人間としての生活を楽しみたいという彼の願いが、両立し得ないことを突きつけたようで、これまたふたりにとっての試練ですね。危機的な状況でも、なんだか恋する乙女な安藤さんのぽややんさに脱力しつつも、とんでもなくヤバいところで次巻へ続くとか、鬼ですか。見ていて微笑ましいふたりだけに、その関係が続いていくことを願いたいですね。

さてさて、この破滅的なお話、完結まで後2冊。果たしてどんな結末が用意されているのやら。序章があまりにひどい展開過ぎて、これがどこで描かれるかというのが戦々恐々なんですががが。

hReview by ゆーいち , 2008/11/26

ダブルブリッド〈8〉

ダブルブリッド〈8〉 (電撃文庫)
中村 恵里加
メディアワークス 2003-04
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