ダンタリアンの書架〈2〉

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stars 当然の報いなのです。あいつらは、私のお気に入りに傷を付けたのですから。

知るべきでない知識を収めた幻書。それを封印するための書架であるダリアンと、書架の管理人の任を受け継いだヒューイは、世にある不可思議な噂を聞きつけ、あるいは幻書を求める者の招きに応じ、旅をする。幻書が人間を狂わせるのか、人間が自らの業ゆえに滅ぶのか、それはその手に在る本だけが知っている。

ということで、ヒューイとダリアンの幻書を追う短編集の第2弾。なんか、前巻の最後に出ていた焚書官のふたりが出てこなかったんですが……。逆に、ヒューイたちと対を成すようなラジエルらが出てきて幻書を巡る人知れない争いは静かに激化していっているのかな。

時系列的にはヒューイが軍属だった頃にラジエルたちが暗躍していたようだけれど、彼らが物語の現時点でどういう行動を取っているのかも気になりますね。出番のなかった焚書官たちも含めて、出会ったら血を見ること間違いなしな気がしますが……。

お話的には、救いがあったりなかったり、和んだり和まなかったりと、振れ幅が大きい短編が揃ってますね。一服の清涼剤的なカミラ嬢のエピソードとかは、彼女の人となりや、ダリアンの愛らしさとかが前面に出ていて良かったですねえ。

そんなダリアンも、可愛らしいところや、別の女に目を奪われるヒューイにちょっとした嫉妬心を見せたりと、少しずつ人間ぽい感情を見せてきてるような。幻書に関わる人間の末路を達観したような老成したような視点と口調で切ってみせるのと同時に、そこに哀れみと一縷の救いを願っているような様子もあり、書架の役目を担った道具であるよりも、ひとりの少女としての魅力をだんだんと発揮しているように思えますね。

一方のヒューイも、かつての戦争で、それこそ人生観そのものを変えられたような壮絶な人生を送っていたり。そんな彼が、今、こうしてダリアンと、楽しげに旅をしている、それもまた運命のいたずらか何なのか、僥倖なことですね。

そして、ダリアンの正統なるふたりめの鍵守であると言われたヒューイ。前任であるひとりめの「彼女」とやらも、今後物語に何らかの関わりを持ってくるのでしょうか?

hReview by ゆーいち , 2009/01/11

ダンタリアンの書架2

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三雲 岳斗
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