WHITE ALBUM 第四頁「想像を超えてわかり合えてるって、感じる時がある。逆の時も多いけどね」

深夜にかかってきた理奈からの電話は、由綺との約束の時間の変更の言伝で。けれど、半分寝たままの頭でその伝言を聞いた冬弥は、思いっきり勘違い。時間も、待ち合わせ場所も見事に間違えて、理奈とも、由綺とも会えずじまい。

道中で微妙に近距離ですれ違いつつも、お互いの行き先が交わることもなく時間ばかり過ぎていって。途中で自分の身勝手に巻き込んだマナの悪態もよく分かる。なんなんだろうな、このずれまくった思考と行動は。

一日も終わろうというときに、ようやく出会えたふたり。理奈の機転と、気の利かせがまるっきり逆効果になってるなあ。せめて、由綺のレッスンの時間を横取りすることで、強引に一日オフにしてあげたのは、彼女なりの意地なのか、罪滅ぼしなのか。

そして、由綺が冬弥に秘密にしていたのは、彼女のデビューシングルリリースの知らせ。それはめでたいことだけれど、もったいぶりすぎてるような気も。大切なことだけに、直接会って、告げたかったんだろうなあ。

時間が時間だけに、せっかくのデートもどこかへ行くこともできず、由綺の家へ送ることになる冬弥。連絡先も住所も知らなかった状態から一歩前進。今まで告げられなかった事情は、どちらかというと事務所から止められていたということなんだろうけれど、自宅へ招くというのは、由綺の独断?

そんな由綺が住むマンションは、冬弥やはるかが遊び、そして由綺が冬弥に出会った思い出のある、かつて山だった土地。でも、冬弥はその出会いの事実を完全に忘れてるし、その時代の記憶を悪いものと口にしたりして、無自覚に由綺を傷つけてみたり。

めげない由綺は、冬弥を家に上げて、思いの丈を冬弥にぶつけて。どうしようもなく冬弥を愛しく思う気持ちは本物で、離ればなれの時間の寂しさを埋めてほしいかのような由綺の言葉。唇を重ね、抱き合って、そして……。って、このシチュエーションは……。留守電に出なかった由綺を怪しんで、弥生さんが邪魔してきそうな気がするけど、この場に居合わせたら言い逃れも何もないなあ……。