たま◇なま~キミは、何故生きている?~

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stars ああ……そうだ。やっと分かったのかよ。由宇。やっと分かったのかよ。おれ。『生命はなぜ死なない?』その答えは、これだったんだ。

白い人の計画は最終段階へ。自らの後継者となる最後の使徒を完成させるため、白い人は自らの元へ呼び寄せようとしていた。その情報を察知した『欠片同盟』は、美空を討伐のため四国・白瀬村へと派遣する。帯同する透と灯璃。最後の使徒によって完成させられる『世界』は、誰にとっての救いなのか、そして、誰にとっての死なのか?

なるほど、こういう物語だったのね。

意味深な問いかけと、何らかの意図を感じさせられたシリーズ構成の集大成としての物語の完結巻。どこかで見たようなラストシーンとかは、ご愛敬とは思いますが、面白かったですね。

主人公である透と、彼と共に在り続けた由宇。片や人間でありながら、家族全てを失うという悲劇によって人間らしい何かを欠落してしまった少年。片や人間でない存在でありながら、人間と共に生き続けることを選択した少女。これは、ふたりが真に人として生きていくための、最初の障害であり、そして最初の祝福の物語だったのかもしれませんね。

切り離された自死の集合である白い人の目的というのは漠然としていて、それは無限に等しい時間の中で得た希望の果ての絶望の、その中に残されていた最後まで叶えられなかった望みだったのかなという印象ですね。万能であるがゆえに、決して得ることができなかったたったひとつのもの。全てを得ることができるはずだったのに、最後まで得ることができなかったたったひとつのもの。それは、きっと、ありふれているものだけれど、当たり前すぎて気付けないかもしれないものなんでしょうか。

一年という時間を共有し、かつての強引な協力者と被協力者などという関係から、大きく歩を進め、今や互いに欠けることのできなくなってしまった透と由宇。欠片が引き合わせ、欠片によって結ばれた関係だけれど、この物語を閉じ、そして新しく始まる物語においてのふたりの関係は、もっともっと強くて固い絆によって結ばれているように思います。

……エピローグで割と台無しな感じになってますが、これこそ続いていく日常の象徴でしょう。新しく登場した恋のライバル、愉快な部活の仲間たち、引きずっていた過去に区切りを付けて、そして問いかけられた質問に自身だけの答えを出して、透の日々は続いていくんでしょうね。

『めでたしめでたし。彼らはその後も、ずっと幸せに暮らしました』

そんな言葉だけで、彼らの未来が幸多かりしことが、疑いもなく信じられるでしょう。

hReview by ゆーいち , 2009/02/07

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たま◇なま~キミは、何故生きている?~ (HJ文庫)
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