これはゾンビですか?〈1〉 はい、魔装少女です

2009年3月13日

stars あんたは今、現時点をもって魔装少女だっ! 光栄だろっ!

世を騒がす連続一家殺害事件に巻き込まれ、あっさりその生涯の幕を閉じたはずの俺・相川歩は、ゾンビとなって生きながらえている。もう、その時点で何かがおかしいのに、さらに俺を襲ったのは謎の怪物と戦う魔法少女――もとい魔装少女のハルナ。自分の魔力を奪ってしまったとハルナに詰め寄られる俺は、その場の勢いで彼女から魔装少女任命されることになる。へ、少女? 俺、男なんだけど……。

女装の魔装少女爆誕! うえぇ……。

もう、カラー口絵の最後の一枚見ただけで何か危険な予感を覚えずにはいられないこの作品。まぁ、これを見ておののくがいいさ!

いろいろな意味でチャレンジャーな本作。ノリはかなり軽いくせに、明確に命のやりとりしてるあたりが微妙にブラック。けれども、主人公の魔装少女にしてゾンビでもある歩の不死性のせいか、味方側の危機感ていうのがあんまりないんですよねえ。ピンチになりつつも、なんだかんだで逆転して大勝利、な展開なので、殺伐としているようでいて印象に残ったのは、やっぱりキャラ同士の掛け合いの部分だったり。

主人公の一人称視点のお話のため、歩の語り口が合うか合わないかで結構評価が分かれそうではありますが、戦いの中でむやみやたらに○○%! とかどっかで聞いたことのあるようなフレーズが乱れ飛ぶのを除けば、そんなに違和感はなかったかなあ。

終盤の駆け足的な展開とか、ヒロイン格が3人いるばかりに物語の焦点がぼやけてしまっている感じがしたりと、1冊で見ると気になるところもあるのですが、これもまた続刊があるようなのでそういった点が改善されていくとうれしいかな。

hReview by ゆーいち , 2009/03/07