あまがみエメンタール

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stars ここだけの話、莉子ちゃんは「あたし中毒」だ。だけど――あたしもまた、「莉子ちゃん中毒」なのだ。

全寮制の小中高一貫校・清覧女学院。ルームメイト同士の渡会心音と橘地莉子は、誰にも言えない秘密の関係を持っていた。莉子に求められるままに自分の肌を差しだし、彼女に歯を立てられることに喜びを感じる心音。お互いがお互いなしではいられない、けれど奇妙な絆で結ばれたふたり。そんな彼女たちの関係が行き着く場所とは……?

うをを、濃いなぁ!?

これでもかと、百合百合ぃ~! な雰囲気が閉鎖された舞台と相まってなんとも耽美で濃厚な空気を醸し出してますね。秘めやかに密やかに、何年もの時間を積み重ねて築き上げてきた心音と莉子の関係の、背徳感がなんともたまりません。

まぁ、ふたりの関係はどう見ても歪んでいるし、心音自身もそれを自覚しているくせに、自らの行為と、莉子の行為のどちらにも溺れている感じが、イケナイ雰囲気をさらに加速させているような。良識派で、幼少時から大人びていた感のある心音と、逆に出会った頃から精神的にも肉体的にも成長できなかった莉子という、対照的なふたりを結びつけた秘密の儀式と、それを介してお互い心が通じ合っていると信じ込もうとしているような歪さが最後の最後までお互いを縛って、そして物語が幕を引いた時点でようやく本当に通じ合えたようなお話でしたね。

わがままお姫様な莉子が、心音をどこまで彼女として必要していたのか、それを考えると、彼女の生贄として自らを捧げ続けてきた心音の愛情の報われなさ加減に微妙な気持ちになったりしますが、長い時間をかけて心を向けてきた結果が、あのラストだとしたら、まぁ、お互いがようやくハッピーエンドに辿り着けたんじゃないのかなと。端から見れば、まだまだ危なっかしいんですが……。

ああ、でも、そんな彼女たちの秘め事を包み隠してくれた世界は、もはや彼女たちの周囲には存在しないわけで。そういう意味では、少しだけ大人になった彼女たちの関係は、純粋に歪んでいたあの頃のそれから、穢れることを受け入れつつも歪みを正していこうという、そんな風に変わっていくのかもしれませんね。

hReview by ゆーいち , 2009/03/29

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