セキララ!!〈3〉

2013年4月18日

stars 世界の命運を決める決戦の場なんてね、主人公グループ数名と、ラスボスとさらに上の敵、あわせて六人か七人しかいないんですよ!

勘違いの果てに迎えた人生最大のピンチは序章でしかなかった! 火琉奈が求める本物のタクミでないことが彼女にばれてしまった拓巳は、自分の元を去る火琉奈を引き留める術を持たなかった。忘れたい過去との決別、取り戻した平穏な生活、しかし、本当の試練がこれから訪れるということに、拓巳はまだ気付いていなかった。

[tegaki]俺たちの戦いはこれからだっ![/tegaki]

……あれ、さっきもこんな、文言書いてね?

2巻で予感させられた現実と創作世界の融合とか、割と大規模なイベントが華麗にスルーされているのはどうなんでしょうか。一応、この巻でお話が完結ということだから、落とし所を変えてきたわけでしょうけれど、あんまり物語がまとまってねえ!?

リアル世界の拓巳を襲った史上最大のピンチを切り抜けたと思いきや、火琉奈は敵の手に落ち反転、敵方最大戦力の戦闘メイドの登場と、さらなる過去からの追っ手の追撃と、拓巳の日常は脅かされっぱなし。いや、しかし、痛いよ、痛い。ネットの距離巻を感じさせない匿名性に駆り立てられ、熱に浮かされた一時の情熱を語るのも語られるのも。いや、ホント、ほどほどにねっ!

しかし、こうして見ると拓巳の痛さもそうだけれど、ミキモトのネット上のいざこざを眺めて安全圏からによによしてるってのも身につまされる気がしてなりませんねぁ。あそこまで突き抜けてはないけど、覚えがないかといえば嘘になるような。そんな痛い腹を探られるようなもにょり感満載のお話でしたねえ。

さて、一発ネタ的で勢い重視な本シリーズが終わったわけですが、はてさて次はどんなお話を見せてくれるんでしょうか。ある意味、本作が黒歴史にならなければ、なんてアレなことを考えてしまいました。いかんいかん。

あ、黒火琉奈のコスチュームは大変けしからんビジュアルですばらしかったです。

hReview by ゆーいち , 2009/04/11

セキララ!! 3

セキララ!! 3 (ファミ通文庫)
花谷 敏嗣
エンターブレイン 2009-02-28
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