少女達の決意

住宅洋平さんからご寄稿いただいた Kanon SSです。

※バッドエンド系の物語ですので苦手な方は閲覧をご遠慮下さい。

少女達の決意

 暗く寂しい校舎の中。
 私は祐一と出会った。
 無愛想な私に、優しくしてくれた。
 そんな祐一が好きだった。
 でも、祐一が他の女の子を選ぶなら。
 私が死ぬことで、祐一の思い出になれるなら。
 
 最初はすごく憎かった。
 でも、今は違う。
 時々厳しいけど、普段は優しい。
 私の、たったひとつの道しるべ。
 私は、祐一が好き。
 もし、祐一は他の女の子が好きだったら。
 私が消えることで、その子が幸せになれるなら。
 
 七年前からずっと変わらなかった、私の想い。
 それは、いつまでも変わらない。
 十年経っても、二十年経っても。
 ずっと、祐一が好きだった。
 私の想いが届かないのなら。
 私が諦めることで、他の女の子が助かるなら。
 
 私、一目惚れなんてドラマだけだと思ってました。
 実際にあるんですね。
 私がそうでしたから。
 たったひとり、私の存在を認めてくれたひと。
 私は、祐一さんが好きでした。
 でも、祐一さんの想いが他の女の子にあるなら。
 私がいなくなることで、悲しまずに済むのなら。
 
 約束してから七年。
 こんなにも時間がたったのに、キミはボクとの約束を守ってくれた。
 ボクに会いに来てくれた。
 その事だけで、ボクは幸せになれた。
 ボクはもう十分だから。
 次は、キミが幸せになる番。
 ボクが目覚めないことで、誰かが救われるなら。
 
『それでもいいと、私は思う』
 
『それで、あなたが幸せになれるなら…』

―END―

あとがき

できるだけ短くしてみました。

今までのは長々としてたんで。

短くして暗いお話って何なんでしょうね。

ゆーいちさんの作品で『書くこと』に興味を持ったんですが、やってみると楽しいです。

『もし、あなたの書いた小説が、誰かに感動を与えるなら』

『それが、あなたにとって幸せなら』