IS(インフィニット・ストラトス)

stars 俺は……千冬姉を、箒を、鈴を、関わる人すべてを――守る!

IS――インフィニット・ストラトス――それは女性にしか扱えない兵器の総称。ISの操縦者を育成するIS学園に、男なのにISを起動することができてしまった織斑一夏は、半ば強制的に転入させられてしまう。女の園に放り込まれ珍獣扱いの一夏。そして、そこで再会した幼なじみの箒をはじめとしたクラスメイトに囲まれ、波乱に満ちた学園生活をスタートすることになる。

脳内的には戦闘イメージがMS少女的なアレで。あるいはバーチャロン的に。

作者氏は某えろげメーカでシナリオ書かれてた方らしく、ああ、なるほど、そんな雰囲気はあるかもねといったレベルですが、そのブランドの空気の残滓を感じてみたり。いや、ことごとく未プレーなんですけどね、ノリ的な部分で。

女だらけの学園に男ひとり放り込まれ、ハーレム的展開かと思いきや、主人公・一夏の周囲に集う女性陣は誰も彼もがツン突出のパワフルなひとばかり。女尊男卑な世界観のせいなのか、虐げられる主人公やら、ナチュラルに男を見下してる女性陣の言動やらに微妙に気持ちになったりならなかったり。

まぁ、そんな過酷な環境の中、ことごとくフラグを立て、そして無自覚にそんな彼女たちをヤキモキさせる一夏のスクールライフ。一夏の方は対女性な方面では割と耐性がある感じだけれど、箒やセシリア、鈴といった彼を気にする女の子たちからすると、免疫がほとんどなさそうな雰囲気で、彼の言葉に面白いように踊らされているのが微笑ましく思えますね。逆鱗に触れると割と命の危機な感じなのですが、そこはハーレム系物語の主人公スキルを存分に発揮して一触即発の恋の緊張関係を見事に綱渡り。

今回は各キャラの顔見せと立ち位置の紹介的な感じで、一夏を巡る彼女たちの恋の鞘当てはまだまだ序の口といったところですが、それぞれ自分の気持ちをはっきりと一夏に告げられない不器用さと初心さとは裏腹に、こと戦闘となると激烈極まりない勇姿を見せてくれたりと、ラブコメな部分だけでなくバトル方面でも熱い展開を期待したいですね。

あれやこれやと伏線も張り巡らせたし、そもそも一夏がなぜISを扱えるのかという根本的な謎もそのまま、失踪中の箒の姉が事に大きく絡んでるのは間違いないけど、一夏とISの出会いを契機に、そういったISと世界の関わり合いというのが大きく変わっていきそうな予感がしますね。

……そんなことよりも、物語最後での箒の決意宣言と、その行方の方が気になりますが。いまいち見せ場のなかった彼女ですが、次はしっかりと活躍してほしいところですね。正統派なヒロインを応援したくなる自分的に。

hReview by ゆーいち , 2009/05/31

IS(インフィニット・ストラトス)

IS(インフィニット・ストラトス) (MF文庫J)
弓弦 イズル
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