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にこは神様に○○される?〈2〉

stars ――今、わたしは、あなたと同じように照れずにちゃんと笑えているかな、あいん?

行方不明となった父の部屋で、にこが見つけた指輪をはめたことで、彼女の元に現れたのは「神さま」を名乗る少女・あいんだった。にこと契ろうと迫るあいんと、押し掛けてきた彼女を信奉する信者たち。にこと契れば世界が滅ぶ、そんな事実まで知らされてますます情にほだされるわけにはいかなくなったにこ。神さまに愛されてしまったにこの運命は果たして……!?

よもや続きが出るとは、というか、荒川工の新しい物語が読めるとは。という感じで出ました第2巻。

なんだか1巻の記憶がかなり薄れていていろいろあやふやな部分はあれども、にことあいんの物語としてきれいにまとめてくれたのかな。

父親との別れをきっかけに男性不信となったにこが、ひいては他社へと深入りしない微妙な距離を保ち続けていたことが、今回の文化祭の催しである巨大迷路製作に関わることで、過去の父母やその親友であった城氏らの物語とリンク、そして自分と同じようにあいんと関係を持った父親の失踪の真相が明かされます。

いや、何だか中盤からはそんな過去の物語が中心となって流れているようで、前巻にあったようなにこがあいんの無茶な求愛行動に振り回されるようなコメディ部分の印象が少なく感じてしまったんですが、まぁ、この作品自体がこの2冊で完結していると考えると、前半は軽く、後半はシリアスにという常道を外れるものではなかったのかな。

世界を犠牲にたったひとりの幸せのための世界を生み出してたあいんの絶望と、信じていた、愛していた家族である父親に裏切られたと思っていたにこの絶望。そんな欠落を抱え、惹かれあって、けれど最後にはあのような別れを選ばざるを得なかったふたりの物語。

それは、生きていれば誰かを傷つけ、傷つけられることがあるように、何かを得るときには同時に何かを失うこともあるという、子どもには理解できないかもしれない世界の理のひとつで。そして、別れの悲しさや、忘れてしまうことの空しさが、大人になることへの痛みだとしたら、にこはまさしくこの別離をもって、ようやく自身の中にあった母親の声から一人立ちし、そして父へのわだかまりに赦しを与えることができたんでしょう。

久しく呼ぶことのなかった父親を呼ぶにこの言葉と、ありがとうという父からにこへ、そして、にこからあいんへと贈られた言葉、物語が始まった当初の軽いノリからは想像できなかったほろ苦い別れと、じんわりと滲む家族への想い、読み終わってみればなんとも荒川工らしいお話だったように思います。

hReview by ゆーいち , 2009/06/28

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