ギャルゲヱの世界よ、ようこそ! disc3

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stars 武紀くんは、ずっとずっとわたしたちをこの世界に呼び出したことに対して、言い様がない罪悪感と責任感を持ち続けてる。私たちが嫌な気持ちを抱いたりした時、必ず心が痛んでる。違うかな?

ギャルゲヱの世界よ、ようこそ! disc3(書影大)

『メモリーロンド』の一件で、〈フェアリーテールシステム〉を使った世界改変の危険性を改めて痛感した俺こと都筑武紀。そんな薄氷の上に成り立っているヒロイン達との幸せな日々を守り抜こうと誓う俺だったが、近頃ちょっと家の中の雰囲気がおかしい。春姉は何か隠してるみたいだし、夏海の態度もいつもと違うぞ……? ちょ春姉、その人は誰だよ! え、実の父親!? しかも二人を引き取るって、どういうことだよ!

その反省は誰のため?

1巻、2巻と同じく、現実に投影されたゲームのシナリオに巻き込まれる武紀。今度は『エターナルイノセンス』後を描いたファンディスクの内容が世界を改編し、家族である春海と夏海のふたりとの別離の危機が迫る? 2巻であった生死をかけるような緊迫感とは違うけれど、家族という絆で結ばれていた三人を引き裂こうとするようなシナリオの強制力に対して、どう立ち向かうのか。

一番近くにいるはずなのに、きょうだいという堅い関係がすでに結ばれているおかげで、それ以上への進展への難度が高い春海と夏海。逆に彼女たちが、きょうだいという関係以上に踏み込んでこようとしない武紀に対して業を煮やし、攻略に立ち上がるお話でもあったのかも。深入りすることへの恐れ、何よりも今ある関係を壊してしまうことへの恐れが、武紀を躊躇させるのだけれど、恋する女の子は強いのです、を地で行くような攻勢。

意識的に目を背けていた一線を越えるということを嫌でも意識させられた主人公は、現実においてゲームのような都合の良い展開が、誰からも祝福されるような幸福な未来が、簡単に手に入れられるようなものではないと突きつけられたかのようですね。

何よりも、彼の歩みをためらわせるのは、誰かを選んでしまったら彼の周囲に作られた世界が、本当に虚構と化し、砕け散ってしまうかもしれないという可能性が提示されたこと。ゲームのシナリオを終了することはすなわち投影された世界と設定が終了するということで、シナリオの進行からずれ、すでにキャラクターではなく人間として相対するようになってしまったヒロインたちに、残酷な選択の結果を突きつけることなど、今の武紀にはできそうにありません。だからこそのハーレムルートの選択なんでしょうけれど、理恵が言うように武紀の覚悟はまだまだ足りず、そして今回の春海たちの離別イベントという展開でその甘さを再認識させられたんじゃないでしょうか。

まぁ、それでも彼の行動についていえば、同じ失敗と反省を繰り返して、あまり前進しているように見えないのが難点ですが。一通り各キャラのお話が済んだ感じなので、これからはまさに未知のシナリオを進めていかなければならない手探りの攻略になるんでしょうか。優しくない現実にあって、それでも皆を幸せにするという覚悟と決意はあっぱれ。後はそれを実現するだけの主人公力をほかでもない自分の物語の主役である武紀が発揮することを期待したいですね。

hReview by ゆーいち , 2009/11/15

ギャルゲヱの世界よ、ようこそ! disc3

ギャルゲヱの世界よ、ようこそ! disc3 (ファミ通文庫)
田尾 典丈
エンターブレイン 2009-09-30
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gurimoeの内輪ネタ日記(準備中)
gurimoeの内輪ネタ日記(準備中) 2009年11月15日 at 11:29:20

『ギャルゲヱの世界よ、ようこそ!』3巻の感想レビュー(ライトノベル)

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