IS〈インフィニット・ストラトス〉 4

stars みんな成長していくんですよね。色々やって、色々あって。

8月、夏休み開幕! 今回は『女の子たちの夏休み編』! それぞれ女の子の視点からつづるある夏の日の物語。気温とともに女子パワーもヒートアップ! 新たな一面をかいま見るオムニバス。「一夏とひと夏の思い出を――」そんな願いは果たして叶うのか!? そのとき隣に立つのは誰なのか!? 「想い」を彩る、ハイスピード学園バトルラブコメ第四弾! ISバトルはなくても恋のバトルは回避不能! 夏の恋愛争奪戦――開幕!

[tegaki font="crbouquet.ttf" color="MediumPurple" strokesize1="6″ strokecolor2="MediumPurple" strokesize2="4″]子猫たちの夏休み[/tegaki]

おい、前巻の思わせぶりな引きからどうなるかと思ったら短編集ですよ!?

……ということで、一夏視点メインの本編とは違って、今回はヒロインたちの視点による短編集。それぞれの視点から、一夏への想いを語ってみたり、夏休みのとある日の過ごし方を描いてみたり、恋のライバルとのさや当てに興じてみたりとバラエティ豊かな4つの短編から構成されていますね。

ヒロインたちのキャラクターを掘り下げるという意味合いもあったようで、なるほど、彼女たちの IS 候補生としての側面より、少女としての彼女たちの側面を前面に出して描いているおかげで、これまで以上に魅力アップでお届けされているような感じ。登場時期の早いか遅いかによって、やっぱり、描写量の多寡はあるもので、いまいち印象に残りづらかったキャラも、今回の短編を読んでみると、なるほど、かわいく見えてきますね。特に、今回の表紙を飾るラウラなんて、初登場時の切り裂かれるような鋭いイメージはどこへ行ったのやら、シャルとの1日を過ごすエピソードはによによさせられますねー。シャルはシャルで、同性殺しな魅力を振りまいたり……。ラウラとのフラグが危うく立ったりしたら……いろいろ大変ですね。

逆にセシリアや鈴はイロモノ的な扱いが増してきているような気がして何とも(笑) いや、ふたりの競争心のぶつかり合いからとんでもない大事に発展したりと、見ている分には楽しいのですが、やっぱりこのふたり、一緒にいると妙な化学反応を起こして危険物とかしてしまうような……。それぞれ、一人のときに愛しい一夏のことを考えているシーンでの、モノローグなんて、かわいくてかわいくてくはー! と思ったりもするのですが。

3巻に引き続き、一夏と二人っきりの美味しいシチュエーションをゲットしたのは箒。夏の夜祭り、花火を長めながらという絶好のシチュエーションでも、けれど、自分の思いを伝えきることはできず。それでも、意地を張りっぱなしな再会当初より、彼女もずっと自分に素直になれてきているんじゃないでしょうか。雰囲気に流されないと素直になれないのは、損な性格だとは思いますが、こういう遅々とした関係の進展というのも微笑ましいですー。

でもまぁ、一夏の周りにいろいろなタイプの女の子はいれど、彼と一番近い距離を保っているのは、身内である千冬姉っていうのが、彼を狙う娘たちにとっては最大の不運なんでしょうね。あらゆる点で、現状の少女たちよりもずっと高みにいる彼女。何よりも、一緒に過ごした時間の絶対的な長さの差が、大きな大きな壁になっているような気がしますね。そして、弟は婿にはやらんとばかりに無意識に威嚇しているようなブラコンの気がある千冬と、そんな彼女の望むがままを、自然に叶えてみせるシスコンの気の一夏。この二人の間に割って入るのは、文字通り骨が折れそう。苦難を乗り越えてこそ、得られる報償は莫大なものがあるとはいえ、その道のりは果てしなく遠そうですね……。

で、エピローグではまた新キャラ? 意味深な発言をしてるけれど、これって単なる上級生な気がするんですが……。果たして、答えは? 待て、次巻!!

hReview by ゆーいち , 2010/04/13

IS(インフィニット・ストラトス)〈4〉

IS(インフィニット・ストラトス)〈4〉 (MF文庫J)
弓弦イズル
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