魔法科高校の劣等生〈1〉入学編(上)

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stars 徹底した才能主義。残酷なまでの実力主義。それが、魔法の世界。同じ新入生であっても、平等ではない。例え、血を分けた兄妹であっても。

魔法。
それが伝説や御伽噺の産物ではなく、現実の技術となってから一世紀が経とうとしていた。
そして、春。今年も新入生の季節が訪れた。
国立魔法大学付属第一高校―通称『魔法科高校』は、成績が優秀な『一科生』と、その一科生の補欠『二科生』で構成され、彼らはそれぞれ『花冠』ウィード『雑草』ブルームと呼ばれていた。そんな魔法学校に、一組の血の繋がった兄妹が入学する。
兄は、ある欠陥を抱える劣等生ウィード
妹は、全てが完全無欠な優等生ブルーム
どこか達観したような面持ちを見せる劣等生の兄と、彼に肉親以上の想いを寄せる優等生の妹。二人がこのエリート校の門をくぐったときから、平穏だった学びの園で、波乱の日々が幕開いた。

累計3000万PVオーバー、話題のWEB小説が電撃文庫に登場!

という触れ込みを読まずとも本作の存在は知っていました。一時期確かにかなり話題になった作品でしたね。見に行ったときにはかなりのボリュームがあって、一気読みは断念したので、商業出版されてからようやく手を付けた口ですが。

タイトルに偽りありすぎ!

と何度突っ込みを入れたくなったことか。

いや、文字通りに受け取ることは最初からしてないのは確かなんですが、これまでに似たタイプの作品だと、主人公のすごさというのはここぞというところで発揮されるものなのに、本作の主人公・司波達也はもう、最初っからスゴい主人公であるということを隠そうとされてないんですよねえ。優秀な妹である深雪の言に始まり、地の文からも、彼がいかに「規格外」であるのかが良く伝わってくるのなんのって。

だからまあ、達也の冷めた性格と他人と一定の距離を置く態度が年齢不相応に見えるのも、背景にいろいろあったんだろうなあというのが容易に想像できるわけで。両親とのただならぬ確執やらをはじめとして、思わせぶりな台詞の多いこと多いこと。こういうわかりやすい伏線を張っておいてタネ明かしというのも、その場面で気持ち良く明かされるのなら気持ち良いものですが、まだまだ伏せられたままなので高慢に見えてしまうのも仕方ないところなのかな。

お話的には、1巻は入学編のしかも上巻ということで序盤も序盤。スゴそうな主人公が、これまでの定説やら、才能によって区分けされた『一科生』と『二科生』の垣根を易々と跳び越え、悪しき慣習を殴り飛ばしていく痛快な展開になりそうではありますが、いかんせん、司波達也という主人公の性格を受け入れられるかどうかでかなり印象が変わりそうな感じではありますね。現時点では、かなり上から目線の主人公に見える場面が多くてなじまないかなあ……。

けれど、その辺を差し引いても、魔法の設定、そこから逆算されたような未来の世界観というのはなかなか興味深くて、重厚な設定好きな読者はかなり楽しめる作品にも見えますね。学問としてきっちりと構築された、魔法という技術に、あらゆる方向から対抗するかのような達也の素性が明らかになるにつれて、お話も盛り上がってきそうな感じです。

不穏な空気を漂わせながら2巻に続いてますが、そちらではどんな事件が起きるのかな。まだまだプロローグといった様子で、盛り上がりに欠けてますが、1エピソードしては次からが本番ですしね。

hReview by ゆーいち , 2012/01/14

魔法科高校の劣等生〈1〉入学編(上)

魔法科高校の劣等生〈1〉入学編(上) (電撃文庫)
佐島 勤 石田 可奈
アスキーメディアワークス 2011-07-08

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