デート・ア・ライブ 十香デッドエンド

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stars 知ったことかそんなもん……ッ!! ASTだぁ!? 他の人間だぁ!? そいつらが十香! おまえを否定するってんなら! それを越えるくらい俺が! おまえを肯定するッ! 握れ! 今は――それだけでいい……ッ!

デート・ア・ライブ  十香デッドエンド 書影大

四月一〇日。昨日で春休みが終わり、今日から学校という朝。可愛い妹に起こされ、五河士道は今日もいつも通りの日常が始まると思っていた。精霊と呼ばれる少女と出会うまでは――。
突然の衝撃波とともに、跡形もなく、無くなった街並み。クレーターになった街の一角の、中心にその少女はいた。
「――おまえも、私を殺しに来たんだろう?」
世界を殺す災厄、正体不明の怪物と、世界から否定される少女を止める方法は二つ。殱滅か、対話。軍服に身を包んだ妹・琴里は士道に言う。
「というわけでデートして、精霊をデレさせなさい!」
「は、はあ……ッ!?」
新世代ボーイ・ミーツ・ガール、登場!!

アニメ化直前ということで手を出してみました。前シリーズの『蒼穹のカルマ』もそういえば積んでいたなあ。

世界を殺す災厄と呼ばれる精霊という存在。人間が自らの居場所を守るために、それらとの対決は避けられない世界。精霊を止める方法は二つ。武力をもって制するか、デートをしてデレさせるか……って後者おいぃぃ!?

あらすじからしてこれまで見たことのあるようなファンタジーな設定とは一線を画していますよデートて、デートて。まぁ、世界と人間にとっての天敵となる精霊が、あんなに可愛い少女の姿をしているのなら、勘違いする輩の一人や二人出ていてもおかしくはないですが、それを人命のかかった作戦行動として採用するとかもうね、この妹と組織はどこかおかしい。というか、冒頭からおバカな妹キャラ然としていた琴里が、いきなりドSな指揮官として現るとか読者置いてけぼりもいいところ。あざとすぎる妹キャラの演技も大概ですが、こっちの兄を兄と思わない見下した態度はどうにも好きにはなれませんねー。意味深なことを言ってるからしばらく後で彼女も精霊でしたーみたいな種明かしがあると思ったら……。はい、口絵でネタバレしてましたね。

主人公・五河士道と精霊・十香のファーストコンタクトから始まる物語。人間を自分を害する敵としか見ていなかった十香へ、世界の美しさ、人間の優しさを伝えるという作戦の趣旨は、対話という選択を採っているだけ間違ってはいないんでしょうね。作中で描写されたようなトンデモな戦闘力は、いくら人間が持てる力の粋を結集しても抗うことなんてできないと容易に思わされますし、事実そんな感じですし。武力でどうにかしようとした結果が、この世界のあちこちで見られる壊滅の傷跡なのだとしたら、方向転換を図ろうという精力が出てきたとしてもおかしくないですね。その組織になんで琴里のような年少者が属しているのかとか、その背後に何がいるのかとかいろいろ気になるところはありますが、それはそれとして、精霊との対話をギャルゲー化してコマンド選択で攻略するとか新しすぎるッ!! ナニソレ楽しそう!!

……まぁ、攻略物語の主人公にも据えられてしまった士道の免疫のなさは、逆にボーイミーツガールものとしても良い感じに見えます。世界のことを知らない少女と、そんな彼女へ少しずつ近づいていこうとする主人公。異文化交流どころか異種間交流という前人未踏の快挙をギャルゲーよろしく達成していくゆるさは、この作品と作者らしい感じがしますが、感情らしい感情を見せることがなかった十香が、士道とのやりとりの中で少しずつ人間らしい楽しげな感情を覗かせるようになっていくのは、見ていて和むことこの上ないですね。説得一歩手前での致命的なトラブルもお約束といえばお約束ですが、単なる痴情のもつれで済ますには世界がヤバすぎる! ああ、人はどうして同じ過ちを繰り返すのか。戦いでは何も解決しないというのに……。精霊に憎しみを募らせる鳶一さんの事情とかも今後明かされてくる要素でしょうが、主人公を巻き込む可能性を考慮していないというのは余りに浅慮。

ふぅ、これが士道じゃなかったらゲームオーバーだったぜ! っていうか、士道もどうやら普通の人間じゃないみたい? 何その強くてニューゲーム仕様。何度でも使えるようだとしたらチート過ぎません? 彼もまた、妹とは別の意味で秘密があるみたいですね。そもそも人類の命運を賭けるような作戦に抜擢されるあたり、それに足る理由がないわけがないですもんね。彼の境遇が、問答無用で見知らぬ世界に放り出される精霊たちの心に共感しやすいとか理由付けはされてますが、もっと深い部分で、彼でなくてはならない理由があるんでしょう、それが彼の特性にもつながっているような気がしますし。

デート=戦いの決着を、ああいう形で見せてくれたのは読者的にはにやにやできますね。こういうときだけ普通の女の子のような反応を見せるとか、犯則過ぎます。そして、結果的にこちら側の世界に、彼女が少しだけ望んだようにいることができるようになった十香。士道に攻略された格好になってますが、焼き餅焼かせたりしたら、また世界がヤバかったりするんでしょうか? 学園ラブコメが始まっても、トラブルの先には大破壊が待っているかと思うと油断はできませんね。十香が10番目の精霊とナンバリングされてるなら、まだまだ新キャラは出る余地あるわけで、ハーレムルートに進むにしろ、文字通り命がけのストーリーになること間違いなし!?

hReview by ゆーいち , 2013/03/27

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