ハンドレッド2 -歌姫のラブソング-

stars みんながわたしが苦しんでいるときに助けてくれたから。素敵な言葉をくれたから、わたしは救われた。だからそのお返しとして、わたしは唄い続ける。

ハンドレッド2 -歌姫のラブソング- 書影大

「あなたが如月ハヤトね。今日から、ボディーガード、よろしく♥」
「ど、どうも……はい?」
無事サベージの脅威も去り、改めて世界的歌姫・霧島サクラのライブが開催されることになったツヴァイ諸島。
なんとハヤトはその霧島サクラの身近警護役に選ばれてしまう。じつはサクラのハンドレッド、さらにはステージに使われるヴァリアブルストーンが狙われているという。
「悪いがこれは俺らの獲物だぜっ」
そこには謎の三人組の存在が……?
箕崎准(ocelot)×大熊猫介(ニトロプラス)のコンビが贈る、“究極”の学園バトルアクション、第二弾!
これが私の――「歌姫降臨!ハンドレッド・オン

サベージハンターはじまるよー!

あれ、なんか人類の敵が、レアアイテムをドロップするモンスター扱いに……? というか、人間怖いよ人間。人造ヴァリアントとか、なにそれこわい。ヴァリアントというイレギュラーを人工的に作り出そうとするとか、いきなり量産型登場フラグですか。謎の三人組がもろにそれだし、その後ろにいるのは、かつてサクラを不幸のどん底に突き落とし、二度と会うことはないだろうと思っていた悪者だったり。

前巻で思わせぶりな台詞の後に登場した新たなヒロイン・霧島サクラ。これまた、過去に主人公のハヤトと接点があったとか。どれだけこの主人公は過去にフラグを立てているのか。一級フラグ建築士ですね! とはいえ、そんな過去の記憶をお互いに綺麗さっぱり片隅に置いておいて、初対面で「もしかして……?」な雰囲気を欠片も見せないのが妙にリアルだったり。というか、サクラがハヤトに好意を持った理由が、より優秀な子供を産みたいとかどんだけ直接的なんだ……とか思ったら逆に迫られたらはぐらかされたりと、自分が上位に立てるときは余裕満々の女王さま、けれど押されると一気にしおらしい子猫ちゃんとか二重人格にもほどがある(笑) この我が儘さがかわいいと思えればなかなか良いキャラなんですが、デレるまでが面倒なキャラだなあなんて思ってしまう私はダメダメでしょうか。

まぁ、メインヒロインのエミリアの肉食系な猛烈プッシュも苦手に思ってしまうと、あれ、生徒会長がいちばん可愛くね? 今回は妙にテコ入れされててサービスシーンが多いし、彼女はそんなラッキースケベの餌食になって、実力らしい実力を作中で発揮させてもらえないのかなとか思うと不憫ではありますね。んー、そうすると、ヴァリアント化した武芸者の台頭によって戦闘の主力がその人本人の実力プラス改造されているかという具合になると、物語は一気にシリアスな方向に傾いていきそう。そもそも、副作用なしでいられるわけではないし、命に関わってくるとかそんな究極の選択を迫られたときの苦悩とか入り始めると救いがなくなっちゃいますかね? でも、キスをして副作用を鎮めるとか美味しい設定があるんだから、ヒロインたちとイチャイチャする要素としてそういう流れもありじゃねありじゃね?

ともあれ、新ヒロイン登場、そして、本当の敵は人間を守ろうとしながらも道を踏み外している外道な組織? みたいな構図が描かれる次の巻へ繋ぐエピソードだったせいか、バトルとか物語とかもうちょっと盛り上がりがほしかったかなあ。サベージ戦がそもそも力業で核を砕くとか、真っ向勝負にもほどがあるので、対人戦でどんな戦いを見せてくれるかがキモになりそう。学友たちの見せ場も少しずつ増えてきて、共闘フラグも立ちまくりなので、大規模な集団戦とかも見られると嬉しいかも。でも、今巻のタッグバトルは微妙にターン製バトルみたいな感じだったので混戦になったとき厳しそうですが、そこは頑張って下さいってことで。

しかし、順調にハーレム化が進んでいるなあ。ヒロインとサブキャラ加えりゃもう片手の指が埋まりそう、あるいは両手の指が必要か? 主人公がそっち方面にあんまり敏感じゃないだけに、ラブコメ要素はどうなるのやら。早くも空気化が進んでいる生徒会長とか、妹さんとか、テコ入れはいつ来ますかー?

hReview by ゆーいち , 2013/04/06

ハンドレッド2 -歌姫のラブソング-

ハンドレッド2 -歌姫のラブソング- (GA文庫)
箕崎 准 大熊猫介
ソフトバンククリエイティブ 2013-03-16