聖剣の刀鍛冶 #14 Valbanill 2

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stars では見定めるとしよう。大陸が続くか――終わるか。

聖剣の刀鍛冶 #14 Valbanill 2 書影大

都市を捨て、炎を上げて流れる溶岩の河向こう、ブレア火山の麓で迎撃の陣を組んだセシリーたち騎士団。
しかしすでに都市を蹂躙せんと侵攻した帝政列集国はシーグフリードの振るう魔剣エヴァドニの力で溶岩を越え、進撃を止めることがない。
そして遂に、都市騎士団と帝政列集国戦士団は、激しい剣戟を交わす乱戦に突入する。
ルークが、ハンニバルが、ヒルダが、それぞれに己の剣のみで、魔剣を手にする敵と斬り結ぶ。
そして、いまだ聖剣として覚醒しないアリアを手に、最前線に立つセシリーは――!?
壮烈な最終決戦の火蓋が切られる最新巻!!

今巻で完結すると言ったな、アレはウソだ!

ということで、またしても凶悪な引きで時間に続いてしまいました。クライマックスに次ぐクライマックスで盛り上がりは大変なことになっていますが、いいところで終わるとやっぱりもやもやする部分も。

いや、今回の引きは非常に有効だと思いますけどね。恐れていた最悪の事態を防ぐことができず、ついに復活してしまう最凶の人外・ヴァルバニル。そのあまりの威容は、これまで敵として相対してきた人外が子供だましに見えるくらいの絶望的なスケール。まさに、山そのものが敵となるような圧倒的な大きさと凶悪な姿。竜。伝説の中にしか記されていない空想上の存在と思われていたそれが、倒し、封ずべき敵だとは! まぁ、悪竜というのは伝説においてもやはり勇者に倒されるべき敵として描かれることがありますが、にしても、これは規格外にもほどがある。他の存在とは一線を画する聖剣の力もそうだけれど、人外の頂点に立つ王の能力もまた、他の存在と隔絶した力を持っているような。なんでこの対になる存在が、ここまで異常なまでの力を持つに至ったのか、謎のままですが、それでも人間が生き延びるにはこの敵を何とかしないとは行けないわけで。

今回もラストエピソードらしい熱戦続き。もっとも、守勢に回るセシリーたちは圧倒的な軍勢の前に苦戦を強いられたまま。局面局面、個々の戦力では敵の主要な個人戦力に拮抗することはできるけれど、兵力という面においては地の利を活かしてもじりじりと防衛ラインを押し下げられてるありさま。万全の態勢で臨んだはずの決戦も、聖剣の不完全な覚醒を初めとした不確定要素のおかげで計画通りとは行かない模様。

でも、セシリーと聖剣アリアの関係はぐっと改善しているような。ようやく見ることができた二人の共演は、苦境にありながらも希望を感じさせるものですね。自分の力を完全に発揮することもできない中で、それを使いこなすセシリーの業の冴えが光りますね。新米騎士だった物語開始時から、ハンニバルに匹敵さえしそうな程の上達ぶり。今回の表紙もそうだけれど、勇ましいったらないですね、この新妻! ヒロインでありヒーロー、そして、傷付く姿さえも美しいと思える女性キャラはなかなかいないですよ。

そんな彼女の夫になったルークも、大手を振って彼女を守れるとあってはなりふり構っていられない風。彼自身の命が限界に近づいているとさんざん言われているのに、ここでも敵の中でも厄介極まるホレーショーに単身挑んだりとムチャシヤガッテと言いたくなる孤軍奮闘ぶり。魔眼によって戦闘力が上がったとはいえ、その力もまた魂を削るという諸刃の剣。限界を迎え、それを越えても戦い続けることができるのは、彼の中になんとしても生き延びるという約束があるから。ぼろぼろになり、辛くも命を繋いでいるような彼ですが、いつ倒れてもおかしくないような状態で、最終盤をどうやって生き延びるのか割と不安だったり。

大陸の行く末を巡る戦いは、ついに致命的な局面に。復活してしまったヴァルバニルの余りに強大な存在感と、アリアの再びの力の暴走により傷付き倒れてしまったセシリー。聖剣の真の覚醒がさらに先伸びなのはなかなかストレスですが、物語もあと1冊、その結末をしかと見届けるつもりですよ。

hReview by ゆーいち , 2013/04/14

聖剣の刀鍛冶 #14 Valbanill 2

聖剣の刀鍛冶14 (MF文庫J)
三浦 勇雄 屡那
メディアファクトリー 2012-11-21

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