Strange Strange

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stars つい数時間前までは考えられなかったが、ここは地獄だ。地獄で生きて最後には死ぬなら、冷静に発狂していてもおかしくない。そうなるべきなのだ。 

Strange Strange 書影大

「これが僕の真の力、なのか」
秘められた力を使い、美少女たちと共に悪を滅ぼす少年・田尾君が直面した、とてつもなく凄惨な事態とは?
問題作「ぶひぶひ♥だらだら」をはじめ、彼と秘密を持つ彼女の心温まる愛の物語「人でなしと恋」など
全4篇でお届けする、浅井ラボの(ある意味で)ハラハラドキドキの連作短編撰。
使用前に注意書きをよく読んでね!

ああ、もう、これはひどい。

浅井ラボの作品というだけで、あらすじ通りの物語なわけがないのは重々承知でしたが、予想以上にひどかった。これは、耐性がない人がうっかり読んだらトラウマものですねえ。

相変わらず、容赦なく人がばたばた死んでいきます。尊厳も何もあったものじゃない。ただただ強者に弱者が蹂躙されていく。それも、この上なく悪趣味な方法と形で。ということで、人を選びすぎるお話なのでたいていの人には勧められないよなあと思いつつも、され竜とか普通に楽しめる人には割と読める作品ではないかと。まぁ、読後感は最悪というか、読まなきゃ良かったレベルの短編もあったりするので、覚悟完了してからお手にとって下さいませ。

ふくろおんな

これは怖い。理由もないホラーものは、理由もなく恐怖を呼び起こしますね。創作したはずの怪談「袋女」が現実に現れ、霊能力者の力を借りて立ち向かおうという筋ですが……。

作中でも語られていたように、そもそも、物理的な現象に霊能力で対抗云々という手段がまちがっていてどうしようもないというオチはひどい。日本の怪談話かと思ったら、海外ホラーだったよくらいにいろいろ違う。でも、描写の生々しさとか、えぐさとかがどぎついせいで、異形の姿を想像してしまってアレ過ぎます。

そんな中でも、人間の汚い部分をしっかり描いてくれて、永遠の愛()とか白目を剥いてつぶやきたくなること間違いなし。収録作品中、一番怖かったかも。

ぶひぶひ♥だらだら

ああ、もう、胸くそ悪い。これ、誰も救われてないどころか、オチも何もあったもんじゃない。浅井ラボはされ竜でもそうだけれど、漫画で描かれるような、駄目な部分を集め凝縮したようなニートをひどい目に遭わせることが多いような。まぁ、まったく同情できないくらいに、このお話の主人公も、いい具合に腐りきってるんですが。

ともあれ、画面の向こうに自分の罪を追いやって思考停止してしまうようなのは、少なからず経験したことがあるようなないような。選択も決断もせず、誰かに罪をなすりつけて考えるのを止める。ああ、確かに、生きてる意味あるのかと問われても仕方ないのかも。胸くそ悪さMAXですな。

人でなしと恋

冨樫義博作『レベルE』の「見えない胃袋」を彷彿とさせるような人食いのヒロインと、その恋人の物語。あくまで人が人を殺して食らうという禁忌を描いているだけあって、その結末には報いと、もしかしたら救いがあるのかも。

他の作品に比べれば、当事者たちには最低限、ハッピーエンドとも取れる道が残されているだけ、まだマシなのかなあと。

ただまあ、同じ人間を自分の都合で駆除しようとする狩る側に、倫理や正義があるかといわれれば、そこには私怨と復讐しかないのが何とも黒いですね。

Last Day Monster

なんか、され竜世界とリンクした風味? 謎理論で呼び出された化け物たちって異貌のものどもなんじゃないんですかね。レメディだがディウスだか名前が付く方程式って、レメディウスを必然的に想像させてくるんですが。現れてる怪物もこの世界の物理法則とは別の法則で動いてそうだし。

まぁ、そんな感じで咒式も何も対抗手段のない世界が大ピンチ。というか、終わってた。

そんな中でサバイバル技術を活かして何とか生き延びようとする主人公のOLさんの奮闘。だけど、彼女も理性的にサバイバルしているように見えて、その実、見事にぶっ壊れていた。世界が終わる日、自分がしたいことをを存分にしようと思って、憎い人間を殺すという結論に達する時点でどうかしてる。妙に頼もしい終わり方ですが、彼女自身も自分を殺そうとしているのならそこでデッドエンドだったんでしょうかね。

まるで劇薬

読んでみれば分かりますが、まったく救いがないですな。分かってて読む分には、ホラーものとして読めますが、それでも後味の悪いエピソードばかりなので、ドロドロ尾を引くような嫌な感じが残ります。

最後の最後のあとがきが、またあとがきになってなくて、それでも約1名を除いては健在が伝えられる、喜んでいいんだか悪いんだか妙なオチですが、逆にすっきり。

少しだけダークな気分に浸ってみたい人、怖いもの見たさでいかがですかね?

hReview by ゆーいち , 2013/04/14

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Strange Strange (HJ文庫)
浅井 ラボ しばの 番茶
ホビージャパン 2010-12-01

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