変態王子と笑わない猫。〈3〉

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stars ぼくは横寺、変態王子。変態には変態なりの、王子には王子なりのやり口がある。

変態王子と笑わない猫。〈3〉 書影大

体育祭が迫る九月の朝。のどかな二人乗りの最中、ちっちゃな宇宙怪獣ツインテールが降ってきた。『完璧』な笑い方をするその女の子は、ぼくにロケットダイブして、「にひー。だーれだ!」「え?」「よーとおにーちゃん、だいすき!」「えええ!?」「どういうことですか」「え?」「どういうことですかロリペドさん」「ええええ!?」――そして平穏だった学校に『笑わない猫』の笑う声がする。校舎はイタリア、水着が制服、横寺王子は今日もみんなの人気者! ……いやいや待てよ、なにがどうしてこうなった。もしかして、ぼくを悩ませ続ける『小豆梓問題』と関係が――?
大人気爽やか系変態ラブコメ第3弾! 今度は妹王座決定戦だ!(逆襲? う、うん!)

あれー、小豆梓の逆襲はどこー?

表紙に見知らぬキャラが出ているかと思ったら、梓の話は脇に置いておいて、別のストーリーが進行していたよ! ひどい!

いや、実際は、梓の物語も同時進行しているというか、彼女はまたいらんお願いのせいで不幸な目に遭ったり、その反動とばかりに最高に幸せなプレゼントをもらったりで、差し引きではプラスの方に振れているんじゃないかと思いますが。

でも、今回のストーリーは重かった。というか、猫神の神通力はとどまるところを知りませんね。学校の制服を水着にして、違和感を消して見せたり、異国の建物を学校と融合させて見せたりと、望んだことを別の形で叶えるややこしさはあるとはいえ、途中キャンセル可能とかどんだけ万能なんだか。

でも、その性格が最悪な感じで、嫌がらせのように、新登場のエミを利用してみせたり――彼女の方も面白おかしく好き勝手に猫神の力を使った非はあるものの――で不快感マックスですよ。主人公の陽人と黒幕にして元凶の猫神の初邂逅と相成りましたが、その方法も非常にゲスくて一気に作品の雰囲気変わったように感じちゃいましたからね。そこからのやりとりはシリアス一辺倒ですが、どうにも超常現象ありきな駆け引きになっていただけに、今までのようなお互いの距離感を測りかねたせいで生まれたすれ違いの痛みのようなほろ苦さとは別の味わいがありますね。

というか、物事の前提が一気に崩れ去ってしまったような不安感さえ覚えますよ。エミのことを忘れていたり、他人の気持ちに対してやけに無関心な部分があって、どうにも好きになれなかった陽人ですが、彼と猫神の接点は1巻以前にもあったということなんでしょうか? 彼がどこで最初の願いを行ったのかとか謎にされたままですが、彼が自分自身に感じた疑問は、そのまま読者の疑問になってますね。あやふやな過去、思い出せない昔のこと。

どうやら、物語はここからがようやく本当の始まりとでもいったところでしょうか。嵐の前の静けさ、その嵐は今までの事件よりもずっと激しく、彼らを襲って、引っかき回していくのでしょうね。

hReview by ゆーいち , 2013/04/30

変態王子と笑わない猫。〈3〉

変態王子と笑わない猫。3 (MF文庫J)
さがら 総 カントク
メディアファクトリー 2011-05-25

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