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読書感想 Archive
2009 年下半期ライトノベルサイト杯 へ投票します
- 2010-02-13 (土)
- ライトノベル
半年に一度のお祭り騒ぎ的なラノサイ杯。今回もぎりぎりまで投票を遅らせるわ、そもそも昨年後半はまともに読めていないわ感想書けていないわで微妙にテンション低いのですが、なんとかピックアップが間に合いましたので投票します。
見事なまでに既存作品部門しか挙げられなかったあたり、新規開拓できてないなあと思いつつ、その辺は集計が出てから良さげなのを読んでみればいいよねってことで。
IS〈インフィニット・ストラトス〉[シリーズ感想]

美少女とメカの組み合わせはなんと萌えるものやら。そしてハーレム。
萌えにやや偏重しているものの、しっかり燃えのシーンを見せてくれますね。テキストがゲームに使われるそれっぽい感じがするのは作者の経歴を見れば納得。この作品の雰囲気にはこれくらいのさくさくとしたテンポの良い文章があっているように思います。
円環少女 [シリーズ感想]

物語の熱量に圧倒されるばかり。メイゼルの過去が明らかになった10巻は、その生き様と背負わされた運命の重みに震えが来ました。ストーリーも折り返し地点を過ぎ、いよいよ収束へと向かっていくような雰囲気ですが、地獄と呼ばれる地で生き続ける魔法使いたちと何も持たない人間たちがどんな終幕を描いてくれるのやら。
さよならピアノソナタ [シリーズ感想]

番外編にして後日談となる『~ encore pieces』もとくと堪能させてもらいました。さよならを経ても音楽を通してつながり続ける4人の姿が、アンコールにふさわしく心に残りますね。なんだかずっと投票し続けてるけど、大好きな作品です。
されど罪人は竜と踊る [シリーズ感想]

角川版に引き続き最大級の絶望を投下してくれたシリーズ屈指のエピソードがついに登場。繰り返される悲劇を回避することもできず、変えられない運命に翻弄される登場人物たちの物語。そして、ここからようやく、本当の続きが始まるのかと思うと、いったいどんな未来が待っているのやら、期待と、それ以上の恐れを抱かざるを得ません。
シャギードッグ [シリーズ感想]

生きるということ、戦うということ、そんな原始的な問いに答えを出そうかとするようなサイバーパンクな物語。2巻以降の刊行が遅くてやきもきさせられましたが、続けて発刊された3巻・4巻をもって、大介の苦悩と自信の意義に解が与えられる展開に燃えました。そんな主人公を支え見守るおとなたちの姿もほれぼれしますね。爺、かっこいい。
聖剣の刀鍛冶 [シリーズ感想]

セシリーたちの眼前に迫る覆しようのない敗北という絶望。ここからどうやって挽回するのかと思いきや、それを成したのは主人公たる役割を与えられた彼女たちだけでなく、そこで生きるすべてのひとびとの結集された力。そんなたくさんの力に支えられ、ヒーローとなり、成長していくセシリーやルーク。絶体絶命の窮地からの挽回だからこそ輝く姿をこれでもかと描いてくれましたね。
戦う司書と絶望の魔王 [シリーズ感想]

1月に無事に最終巻が出ましたが、そこに至るまでに緻密に積み上げられてきた伏線の回収がお見事です。誰も彼も無駄な生き様のないひとびと。それはかつての英雄が世界を滅ぼすに至るまでの遙か昔にまでさかのぼり……。誰に求められないと思われていた世界の終焉を回避するための最後の光、それが「彼」だったという事実に驚愕させられたものです。
テスタメントシュピーゲル

オイレンとスプライトで平行していた物語が一つに統合。多数の登場人物たちによって練り上げられてきたストーリーが収斂していく様に圧倒されっぱなしですね。過酷な運命を背負わされ、あるいは歯車のようにこの世界を作り上げさせられてきた子供たちが真実へたどり着こうとしているとき、牙を剝き襲いかかる過去という変えがたい重みにつぶされまいとあらがう姿が壮絶です。
とある飛空士への恋歌 [シリーズ感想]

ロミオとジュリエットはどこへ? と思わされるような容赦ない空戦が切り広げられる3巻にして、この物語の行方が見えてきたような気がします。カルエルとクレアの恋の行方もさることながら、この世界の謎へと迫っていくという流れにもわくわくさせられますね。そして絶え間ない戦いと、『追憶』とのリンクがさらに行く末を気にさせます。
葉桜が来た夏 [シリーズ感想]

ついに完結。5巻という割と短い巻数でもって、きれいに完結してくれました。学と葉桜の関係がここに来るまではっきりせず煮え切らない感じを抱かされましたが。その辺もきれいに解決。それ以上に、力も何もない主人公たちがあらゆる手を尽くして政治というステージで世界そのものと戦う。異種族というどうしようもない断絶の間で回り続ける歯車を壊そうと足掻く姿が緊張感たっぷりに描かれていました。
投票コード
以上の作品を集計用ページへTrackbackします。
- 【09下期ラノベ投票/既存/9784840130868】
- 【09下期ラノベ投票/既存/9784044267124】
- 【09下期ラノベ投票/既存/9784048680783】
- 【09下期ラノベ投票/既存/9784094511659】
- 【09下期ラノベ投票/既存/9784797356687】
- 【09下期ラノベ投票/既存/9784840130288】
- 【09下期ラノベ投票/既存/9784086304948】
- 【09下期ラノベ投票/既存/9784044729097】
- 【09下期ラノベ投票/既存/9784094511772】
- 【09下期ラノベ投票/既存/9784048680790】
ご主人さん&メイドさま―父さん母さん、ウチのメイドは頭が高いと怒ります
なぜメイドである余が主人を呼ぶのに『さま』を付けねばならん。ご主人こそ余を呼び習わすときは『さま』を忘れるな。それが礼節というものだ。
ヤバイ。メイドヤバイ。まじでヤバイよ、マジヤバイ。俺のメイドヤバイ。まず偉そう。もう傲岸不遜なんてもんじゃない。超居丈高。「アンタ何様」ってその金髪メイドにきくと、胸(豊満)を張って「メイドさまである」ってかえってくる。スゲェ! なんか遠慮とか無いの。メイドなんだから嫌な顔ひとつせず従順に給仕する──と思っていた時期が俺にもありました。っていうくらいの勝手気儘ぶり。普通は絶対人間なんだから謙遜とかもする。でもそのメイドさんは全然平気。凄い。ヤバイ。とにかくお前ら、ウチに突然やってきた金髪美少女メイドのヤバさをもっと知るべきだと思います。そんなヤバイメイドと一緒にいる俺、超偉い。もっとがんばれ。超がんばれ。
よくあるおしかけメイドモノかと思ったら、その斜め上を行く役柄の配置に頭が痛くなりそう。というか、しらふでこんな設定と台詞回しを考えられる作者は、ほんと、あたまがわるいとおもいます。
まぁ、ともあれ、いきなり押しかけてきたメイドさまを自称する美少女に、速攻尻に敷かれ家主のくせにカーストの最下層に位置することになってしまった主人公・五秋陣。自他共に認めるメイド好きという属性のおかげで、そんな理不尽な生活にイケナイ快感を覚え、倒錯した主従関係がめくるめく広がっていくのを期待したらそんなことなかったんですよ?
あっという間に破壊される日常。学校生活を浸食してくる和洋様々なメイド戦士たち。そして目覚める陣に宿るご主人たる真の力! と、どうにもバカバカしいノリで始まるバトルのテンションの高さに全部持って行かれた感じ。というか、勝利条件が相手のメイド服を脱がせることで無力化する何で、いつの時代のえろげよ。ご褒美挿絵があまりないのが悔やまれる……っ!
と、なんだかメイドをテーマにしたお話を書こうかと思ったのか、思いついたネタを装飾していったらこんなノリになたのか、悩ましいところですが、おバカな話が好きなら許せるのかな。胸を打たれるとか燃えるとか、後を引く余韻に浸るタイプのお話ではなく、ただただ、この登場人物たちのハイテンションなぶつかり合いと、ギャグと、あとお色気を楽しめれば良い良い良いと。
まぁ、尊大で高貴で主人公を欠片ほども敬う気のないメイドさまが、その態度とは完全に切り離された感じで陣を本気で好いている。で、この押しかけ生活を始め、なんだかよくわからない障害にぶつかって、乗り越える過程でその気持ちをさらに深める、と、おバカなノリで進んでるわりにはふたりの関係はしっかりと進展してるあたりは気持ちいいかな。ラストの彼女の笑顔と台詞にはにやにやさせていただきました。
で、このお話は続きがあるのかな? まぁ、さまざまなメイドを好きなだけ出して、脱がせていこうってんなら、どこまでやれるか見届けさせてもらおうじゃありませんか。
hReview by ゆーいち , 2010/02/13
- ご主人さん&メイドさま―父さん母さん、ウチのメイドは頭が高いと怒ります (電撃文庫)
- 榎木津 無代
- アスキーメディアワークス 2010-02-10

ラッキーチャンス!〈6〉
よく分かったよ。二ノ宮さんという本当に凄い人を“好き”になるためには自分も最低限、同じような舞台に立たなきゃいけないって。
久々にやってきた大凶運で、家もお金もすべて失ってしまった、“ごえん使い”の雅人と福の神キチ―。「家がなくなったのならうちに来ない?」そんな雅人のもとに、二之宮良子と天草沙代の二人からメールが届いた。二之宮良子は大富豪。天草沙代は霊能力者の名家。いやそんなことより、二之宮さんはとっても可愛くて憧れの人で、天草さんもなんか最近いろいろ心配してくれてほんとに優しい女の子だし…。悩みまくる雅人と、それをじと目で見つめるキチ。そこに突然、校長のサモン=時二郎からSOSの連絡が!果たして、雅人の決断は!?ハッピーラブコメ第6弾。
だらだらと続いてきた雅人の、キチと出会ってからもたらされた愉快で賑やかな日々が大きく動き出す、そんな予感を抱く第6巻。
いよいよ、というかようやく雅人自身の物語が始まるのかなあ。キチとの出会いで不幸漬けの日々から脱出できたかと思いきや、それとは逆に始まるラブでコメな日常。ほのかに思いを募らせていた二ノ宮さんしかり、キチとの出会いで縁が生まれたことでつながりを持った沙代やトト、もちろんキチたちとの関係も、これからぐんぐんと動いていきそうな雰囲気ですね。
第1章からして、雅人の嬉し恥ずかし女体地獄なエピソードかと思いきや、彼が忌避する実力者の姫君の顔見せだったりして、その終盤からシリアス分増量。続く沙代の幕間のお話で、雅人とキチの因縁めいた関わりがほのめかされたかと思ったら、とどめとばかりに第2章では二ノ宮さんの本気モードが出現。
この作品、女の子の力が、気持ちが、雅人を圧倒するようなシーンが随所に見られますが、二ノ宮さんに流れる血が覚醒したことで雅人に与えられたインパクトは、単なる畏怖だけではないようで……。
自分が抱いていた少女への気持ちが好きという対等の想いなどではなく、あこがれや崇拝といった、手の届かないものへと抱く、もしかしたらその気持ちを向けられる本人にしてみれば失礼極まりないかもしれない感情だったということに、ここにきて気づく雅人。そして、その気持ちを“好き”へと変えるため、はるか天上の彼女と対等にならんと決意を固める雅人。自分の実力を眠らせ、腐らせ、天敵ともいえる姫君をもあきれさせてしまった彼がここに来て見せる本気。遅まきながら火のついた主人公の、本当の力が発揮される日は遠くないのかもしれませんね。
しかし、こうなってしまうと、雅人と二ノ宮さんの間に他の子の気持ちが入り込む隙がどれくらいあるのか気になってしまいますね。逆に考えれば、雅人が本気で好きだと思っている子は現時点では誰にも固まっていないわけで、そのリセットされた気持ちをどうやって自分へと向かせるのか、少女たちの奮闘にも期待が高まったりしますね。
けれど、恋のライバルとして張り合ってくれそうな沙代は、今回のラストで大変な目に遭わされているような。普通なら容赦ない仕打ちに壊されてしまいそうな展開ですが、さすがにそこまでハードなお話は持ってこないですよね? ね? そうしたらそうしたで、ある種伝説となりそうな気もしますが、沙代編となるような次巻、この引きからどんな展開を見せるのか気になります。
あと、地の文で二之宮さんと表記されている彼女が、雅人が言うときは二ノ宮さんってなる理由ってどっかに書いてありましたっけ……? 何か意味があるんだろうけれど。
hReview by ゆーいち , 2010/02/12
- ラッキーチャンス!〈6〉 (電撃文庫)
- 有沢 まみず
- アスキーメディアワークス 2009-12-10

もて?モテ!〈6〉 ある日二人三脚でぎゅうぎゅうにっ!
モテ力を困っている女の子自身のため以外に使いたくないのは、今でも変わってない。けど、舞衣ちゃんが泣いたんだ。それを放っておけるわけないだろ? 女の子を、舞衣ちゃんを泣かせておいて、黙っていたらなんのためのモテ王なんだよ。
モテ携帯を使い我が世の春を過ごすモテ王、良太郎(間違い。過ごしてない)。芸能界でトップアイドルとして活躍するクラスメイトの舞衣の頼みを聞き、六花や麻姉、女の子たちと一緒にバラエティ番組に出場することになってしまった! ビキニのトップをバトンにゴールを目指す二人三脚、身体にさわって当てる目隠しゲーム! ゴールデン番組なのにギリギリなハプニングばかり起こって、良太郎の理性はどうなる!?(第一話)財閥のお嬢さま・明日香と一緒にバイトに入って急接近!?(第二話)風邪をひいた良太郎を必死で看病する家族。揺れる六花の女心、裏おモテも見れちゃうよ!
キャラクターの増加も一段落したのか、これまで攻略してきた子たちのエピソードをもう一周やるのかと思わせられるような流れ。いい加減、良太郎の両手でも抱えきれないくらいの粒ぞろいを侍らせておいて、それでもその信念は揺るがず曲げず偽らず。その覚悟やよしといったところですが、それでも自分の信念を絶対とせず、臨機応変に立ち回れるあたりは、物語開始当初の右も左もわからなかったような情けなさが先に立った彼とは別人のような気も。
そんな良太郎の成長に当てられたのか、生暖かい目で彼を見守っていたはずのモテ携帯に宿っていたモテ神さまであるサクヤからまでも唇を捧げられたり、もはや携帯の神通力云々ではなく、良太郎自身の魅力MAX状態に達しようかという雰囲気ですね。話が進むにつれて、ないがしろにされつつあったサクヤのこういった行動は、やっぱりフラグの成立を感じてしまいますねえ。
とはいえ、お話の収束点はやっぱりぶれない六花ルートをゆっくりと進行中な風情。良太郎を中心としたモテ王国の結束は揺るぎないものになりつつあるけれど、女の子同士の気持ちは簡単には割り切れないよなあ。横のつながりも友情という形で強まるエピソードを重ねているけど、最終的に良太郎が誰を選ぶのか、あるいは全員を選ぶのか、お話的なハッピーエンドとヒロイン的なハッピーエンドは違う形になりそうだけれど、納得のいく答えで笑顔を見せてほしいですね。
……まぁ、それはそれとして、どんどんぇちぃ描写が増えてきているのはサービスサービスってことなのでしょうか。もはや、決定的な一線を越えないだけで、あらかた許してそうな感じがするのですががが。何をされても許されてしまいそうな据え膳状態に、善なる理性はいつまで持ちこたえることができるのやら(笑)
hReview by ゆーいち , 2010/02/12
- もて?モテ! 6 ある日二人三脚でぎゅうぎゅうにっ! (MF文庫J な)
- 長野 聖樹
- メディアファクトリー 2010-01-31

俺の妹がこんなに可愛いわけがない〈5〉
……“呪い”よ。あなたが途中でへたれたら、死ぬ呪い。私の願いを果たすまで“解呪”することは叶わない……。可哀相に、このままではあなた、全身から血を噴き出して、のたつち回りながら死んでいくわ。分かったら、早く私の前から消えなさい。今度は自分の妹に、お節介を焼いてくることね。
「じゃあね、兄貴」―別れの言葉を告げ、俺のもとから旅立った桐乃。…別に寂しくなんかないけどな。そして新学期。平穏な高校生活を謳歌する俺のもとに、奇妙な後輩が現れる。「おはようございます、先輩」俺は、黒猫の人間としての仮初めの名を知り、より深い“絆”を築いていくことになる。“妹”と“親友”。ともに大きなものを失った二人は、数多の思想が渦巻く校内で、“魔眼遣い”の少女と対峙する。“稀少能力”を持つ少女に、俺と黒猫は圧倒され、異空間へと誘われ…!!“日常”と“非日常”が交差するとき、物語は始まる―。
衝撃的な4巻のラストから続いて始まる第5巻。桐乃のいない生活は、京介にとってもそれはそれはさみしいものになるはずが、新入生として入学してきた黒猫やら、成り行きで入ることになった部活で知り合う面々たちの濃さに当てられ、一般人を自称する京介のオタクの暗黒面が首をもたげ……。
京介、桐乃に自分の趣味を告白された人生相談を受けてから、ずいぶんと懐が深くなったものです。だがしかし、何かにつけてその脳内の選択肢が浮かんだり、エロゲーのシナリオを元にリアル人物の攻略を妄想したりするのはすでに重症患者! 措置入院が必要です!! やばい、やばいよ、もはや右を見ても左を見てもまともな人格者はおばあちゃん的な幼なじみしかいないじゃないか……ッ!
まぁ、ともあれ、読者アンケートの願いが通じたのか否かはともかく、『俺の妹』と題するくせにほぼ黒猫ルートな本巻。やばい、今回の黒猫の描かれ方は、かわいさが過去巻に比べて120%じゃあ利かないくらいに大増量でお送りされていますね。先輩後輩の間柄になって接点が増えたことに浮き足立ったのか妙に距離感を縮めるような行動が目に付きますね。京介との他意のなさを装った感のあるスキンシップやら、「桐乃が京介のことを好きなのと同じくらいに好き」発言とか、ねじ曲がりまくっていた彼女がためらいに立ち止まっていた京介の背中を押すためにかけた「呪い」とか、もうさ、明らかな好意が示されてるのに気づけない主人公スキルにやきもきさせられますねえ。お前は今、黒猫に惚れていいんだ! 精一杯の背伸びで届けた思いが果たしてどんな芽を出すのか、それはまだまだ分からないけれど、自分の望みが叶わない限り解けない呪い、それって取りようによっちゃあ一方的な愛の告白じみていますよねえ。そうしてみると、もう黒猫の方から自分の気持ちを伝えようとするにはあの行為自体がハードルを上げすぎて、次はどんな手を打ったらいいものやらと、ひとりベッドでのたうち回って赤面しつつ悶々とする黒猫の姿を妄想するとにやにやが止まりません。最後の最後で見せ場は桐乃に取って行かれた感じはありますが、黒猫分の補充としてはこの上ないエピソードでしたね。
さて、新キャラとしては黒猫のクラスメートになり、さらに部活仲間になる瀬菜嬢が登場し、ある意味では今回の主役は彼女であるといっても過言ではないくらいのインパクトとトラウマ(笑)を植え付けてくれましたが、まさに
と誰も手を出せないくらいの暴走ぶり。恐るべき逸材が野に潜んでいたものですな。一見良識派のくせに、自分の趣味のこととなると止めどなくその妄想をまき散らす台風のごとき彼女ですが、それもまたひとにはいえない秘密を持ったオタクの生態の一端? 生々しい彼女ですが、今回の望んだのか望まなかったのか分からないような出会いを経て、これからどんな関わり方をしてくるのやら。次巻あたり、兄である赤城から京介が理由も分からず責め立てられたりしたら笑いますが。
で、物語は既定路線なのか方向修正なのか、やはり桐乃へと向かっていくわけですね。これまで結果を出すことで自分を肯定し続けてきた桐乃ですが、今回の壁は一筋縄ではいかなかったよう。誰にも頼れない状況下、あと少しで完全に折れてしまいそうになった「桐乃」自身を助けてくれたのは、彼女の中では頼りにしていなかったはずのバカ兄貴・京介で。その身も蓋もない懇願と告白を目の当たりにしつつ、毒を吐きつつ、それでも桐乃は自分では止められない自分の意地にとどめを刺してくれるひとを求めていたんだろうなあと想像に難くないですね。自分のコレクションを預け、誰とも連絡を取り合わないという厳しい枷を課しつつも、一言二言でも自分の言葉を届けたかったのが誰なのかという、その一点においてもそんな風に思います。
そんな感じで思ったより早かった桐乃の帰還。最後の最後で黒猫との親友らしいやりとりににやにやさせられつつも、またいつもの面々がそろったことで再スタートな物語。変わらないようで変わってきている面々の姿をこれからも楽しんで見守っていけそうです。
hReview by ゆーいち , 2010/01/17
- 俺の妹がこんなに可愛いわけがない〈5〉 (電撃文庫)
- かんざき ひろ
- アスキーメディアワークス 2010-01-10

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