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MOMENTS


2005年05月02日 [長年日記]

_ [つれづれ]朝

07:00am起床。

_ [Webぐる]ITmedia Games:ナムコとバンダイ、9月末に経営統合

結構大きなニュースがゴールデンウィークに発表になりましたね。

このコンビはガンダムの戦犯なので、あまり印象良くないのですが、ナムコの技術力が加わることによって、キャラゲーのクォリティが上がるなら、喜ばしいことです。

_ [えろげー]SchoolDays [Overflow]

スクールデイズ

ほぼ完了したので、ここらでひとまとめ。

システムのバグバグ具合や、不備については語り尽くされているので、最小限に。シーン回想や、エンディング到達リスト、全体の進行度くらいは表示して欲しかったですね。実際にどれくらい進んでいるのかがさっぱり分かりません。エンディングの種類も、ネットでの情報頼み。個人でコンプリートするのは、かなり困難なのではないでしょうか。連続投下されるパッチも、対応の早さは評価されても、品質管理の面でお話にならないといえるでしょう。

アニメーションは、過度の期待をしなければ、見れるレベル。ハイクォリティとまでは言えませんが、頑張ってますよね。致命的に作画が崩れることもありませんし。フルアニメーションの18禁ゲームとしては、その名に違わぬ大作であったといえるでしょう。

_ さて、シナリオやキャラクターたちについて雑感。

何はともあれ「黒い」の一言。どのキャラクターも、利己的で、かつ他者を蹴落とすことに罪悪をそれほど感じないという、良くも悪くも極めて人間的な連中揃いです。ゲームであるという幻想は、キャラクターの外見くらいしかないのでは、と思うくらい、生々しい感情の吐露が随所に見られます。端的にいうならば、修羅場であり、胃が痛くなるようなシーンも多く、愛憎劇的な暗い感情を前面に出した物語が苦手な人は、最後までプレーするのは苦痛ですらあると思います。

メインヒロインとなる世界と言葉の2人は、この物語内にあって排他的であり、共に幸せになるというラストは特定のエンディング\を除いて一切ありません。恋愛において、誰かが笑えば誰かが泣くという当たり前の事実を、この作品内では真っ正面から描いています。痛い痛い。

人の善さは時として残酷で、優柔不断さは罪です。主人公の誠の、自らの気持ちの右往左往振りが世界と言葉の気持ちを翻弄し、狂わせたことに疑いの余地はありません。傷つけたくない、なんて考えでその場だけの言葉で気持ちを取り繕って、後に取り返しの付かない傷を相手に負わせる。この物語はその繰り返しです。世界が自分から離れようとすれば、好きという言葉ではぐらかし、言葉と別れようと思いながらも、決別の言も吐けない。臆病かつ、自分が一番可愛いという思考がそこに見えるために、私は誠の言動の一切が許せませんし、吐き気すら覚えます。

世界は世界で自分の気持ちを捨てきれないまま、誠と言葉が付き合ってからも

自分の気持ちに決着を付けず、誠を勘違いさせるような言動を繰り返します。勘違いでなく、気持ちを自分に向けてもらいたかったのなら、そもそも言葉を紹介するなんて言い出さなければいいし、そうであったなら誠へ気持ちを伝えるチャンスなど、これからいくらでもあっただろうに、なまじ誠との会話のネタにしようと言葉のことを持ち出したばかりに、ロクでもない展開に陥ってしまっています。彼女を大事にしろと言いながら、流れに任せて唇はおろか身体まで重ねて何をどう言い繕うのか、言葉に「寝取る」などと言われるのも当然でしょう。幼なじみの刹那との、誠を巡る回想シーンでも、あからさまに自分は誠が好きですとアピールしながらもこういう行動を取る矛盾が、世界の人気を落としているのもうなずけます。しかも、他人の誠に対する好意を自覚していながら、自分は誠が好きだから協力してくれというような、厚顔さはなかなかお目にかかれません。

言葉は、不幸にするために設定されたとしか思えないエピソードのオンパレード。箱入り娘で、潔癖性気味で、いじめられっ子で……。恋愛経験が、おそらくはなかったであろう彼女が、誠と付き合うということを絶対視してしまったばかりに、彼の気持ちが離れていくのを信じられず、世界と付き合うという事実を信じられず、諦めることができなかったことも、また不幸であったといえるでしょう。終盤、選択次第では壊れていく言葉を見ることになるのですが、狂気に至らないエピソードでも、必死に誠をつなぎ止めようとする言葉の姿は、痛々しい以上の言葉を持ち得ません。恋愛に幻想を求めすぎたのか、誠を諦めるという選択肢が存在しなかった彼女もまた、自分の世界しか知らない不器用すぎる女性だったといえるのかもしれません。

主人公の誠に至っては、プレーヤに嫌われるように作られたとしか思えない行動をこれでもかと取ってくれます。もともと性格付けが希薄なのに、移り気で、優柔不断で、この上ないエゴイストです。言葉とダメになりそうだったら世界と、世界と上手くいかなくなったら言葉と、と自分が傷付かない方向へ方向へと、「好き」という気持ちを免罪符に逃げているだけの、どうしようもない主人公です。で、私が一番美しいと思ったラストは\だったりするのが、もう。そして、逆に一番恐ろしいと思ったラストは\ですね。女の執念を感じさせるラストでした。

女友達なサブキャラの多くも、言葉をいじめるためにいろいろな行動を起こしたりで許し難いし。陰湿ないじめはちょっと苦手ですね。世界は(グループの)女子に好かれ、言葉は嫌われているという構図も、やけに現実的でどうなのかなぁとか思ったり。こういう感想を抱くのは、私が男であるからで、女性の視点から見た言葉というキャラクターが、こういう扱いを受けるような要素を持っているのかどうかは、意見を聞いてみたいところですね。確かに、男受けするという言葉の容姿は同年代の女性の羨望と嫉妬を集める、というのはありそう。また、消極的で、弱々しげな言動も癇に障るというのも、理解できる部分はあります。が、甘露寺が中心となって、過剰ともいえる嫌がらせを行ったことに関しては、世界のためという大義名分があろうと、許せません。単に言葉が気に入らないから、世界のためという理由にかこつけて嫌がらせをしているようにも見えますし。

甘露寺以外でも、乙女、刹那、光といったキャラクター(いじめっ子3人娘は論外)たちも、言葉を異物として認識し、場合によっては排除しようという動きになったりするのが何とも悲しいです。結局、最初から最後まで言葉は一人で、対等に付き合えていたのは誠と世界しかいなかったのですから。彼女の世界は、結局3人で作られた屋上でのあの空間しかなかったのかもしれません。だから、この物語の結末は、どれも後味が悪く、しかし、結ばれることができたいくつかのエンディングは、ほろ苦くも、祝福されるべきものであるのです。

_ 最後に、この作品の真価は、やはりバッドエンド系にあるのではないのかと思いもするのです。陰の部分を隠さずに描くと、幸せの後ろに隠れている誰かの悲しみに気付きます。こと、恋愛において選ばれなかった人間がどういう気持ちを抱き、どう行動するのか、流血系のエンディングは行きすぎの面があるとはいえ、この作品が描く負の感情は決して特別なものではなく、大小の差こそあれ誰もが感じたことがある悲しみの形の一つであると思うのです。

繰り返しになりますが、主人公はクズで救いようがなく、こいつさえまともだったら世界も、言葉もここまで傷付くことはなかったのだろうという確信は、今後も揺らぐことはないと思います。最低の主人公として、当分の間、頂点に君臨してくれることでしょう。