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ダンタリアンの書架 Tag Archive
ダンタリアンの書架〈3〉
禁忌の知識を書き記した幻書はこの世に在らざるべき存在だ。幻書を見守る読姫と、鍵守も。それら全てを焼き尽くすために焚書官は存在する。
いつになく荒れるダリアンの理由は、読み終えたばかりの流行小説の最終刊となるはずの第3巻が存在しないがゆえだった。作者の死亡により物語の結末を見ることは叶わない。しかし、そんなヒューイの元に、件の作者、レニー・レンツから助力を求める手紙が届いて……。そして、幻書にまつわる物語は、鍵守と読姫を焚書官へと巡り合わせる。
ダリアンがどんどんと幼年化していっているような!? いや、かわいいんですけどね。
今回はかなり軽いテイストのお話が含まれていたりして、重苦しい印象はどこかへ飛んでしまったかのような。いや、最初のエピソード「換魂の書」のお話とかは行き過ぎたファンの憧れの暴走とかミザリーさながらのホラーですが、業の行く先が割とお約束だったのでそんなに救いがないわけでもないのかなあとか。
他には「魔術師の娘」のオチに思い切り脱力したり。いや、こういう報われなさは、ある意味男としての落涙を禁じ得ないものが……。そうだよね……そういう展開だってあるよね。それまで必至に戦ってきた男たちの情熱の行き先はどこーー!?
そして、意味深な登場をしつつも前巻では存在を忘れられていたかのような扱いの焚書官がついにヒューイたちと遭遇。やたらとシリアスな過去を背負っていて並々ならぬ憎しみをふたりに向けてくる焚書官・ハルだけれど、その対決の行方はなんともはや。お互いの抱えている使命の方向性が見事に交わっていないせいかのあしらわれ方ですが、ここだけみると、どこか抜けた部分があるような愛嬌も感じてしまいますね。
雪辱に燃えるハルが再びヒューイたちに相まみえる日はやってくるのでしょうか? その時は問答無用な対決に発展しそうですが、はてさて……。
hReview by ゆーいち , 2009/05/09
- ダンタリアンの書架3 (角川スニーカー文庫)
- 三雲 岳斗
- 角川グループパブリッシング 2009-05-01
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ダンタリアンの書架〈2〉
当然の報いなのです。あいつらは、私のお気に入りに傷を付けたのですから。
知るべきでない知識を収めた幻書。それを封印するための書架であるダリアンと、書架の管理人の任を受け継いだヒューイは、世にある不可思議な噂を聞きつけ、あるいは幻書を求める者の招きに応じ、旅をする。幻書が人間を狂わせるのか、人間が自らの業ゆえに滅ぶのか、それはその手に在る本だけが知っている。
ということで、ヒューイとダリアンの幻書を追う短編集の第2弾。なんか、前巻の最後に出ていた焚書官のふたりが出てこなかったんですが……。逆に、ヒューイたちと対を成すようなラジエルらが出てきて幻書を巡る人知れない争いは静かに激化していっているのかな。
時系列的にはヒューイが軍属だった頃にラジエルたちが暗躍していたようだけれど、彼らが物語の現時点でどういう行動を取っているのかも気になりますね。出番のなかった焚書官たちも含めて、出会ったら血を見ること間違いなしな気がしますが……。
お話的には、救いがあったりなかったり、和んだり和まなかったりと、振れ幅が大きい短編が揃ってますね。一服の清涼剤的なカミラ嬢のエピソードとかは、彼女の人となりや、ダリアンの愛らしさとかが前面に出ていて良かったですねえ。
そんなダリアンも、可愛らしいところや、別の女に目を奪われるヒューイにちょっとした嫉妬心を見せたりと、少しずつ人間ぽい感情を見せてきてるような。幻書に関わる人間の末路を達観したような老成したような視点と口調で切ってみせるのと同時に、そこに哀れみと一縷の救いを願っているような様子もあり、書架の役目を担った道具であるよりも、ひとりの少女としての魅力をだんだんと発揮しているように思えますね。
一方のヒューイも、かつての戦争で、それこそ人生観そのものを変えられたような壮絶な人生を送っていたり。そんな彼が、今、こうしてダリアンと、楽しげに旅をしている、それもまた運命のいたずらか何なのか、僥倖なことですね。
そして、ダリアンの正統なるふたりめの鍵守であると言われたヒューイ。前任であるひとりめの「彼女」とやらも、今後物語に何らかの関わりを持ってくるのでしょうか?
hReview by ゆーいち , 2009/01/11
- ダンタリアンの書架2 (角川スニーカー文庫)
- 三雲 岳斗
- 角川グループパブリッシング 2009-01-01
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ダンタリアンの書架
けれど、ひとつだけ、決して忘れないように。世界には、知るべきでないことがあるということを――。
青年は少女を連れて旅をしている。青年の名はヒューイ、少女の名はダリアン。胸に大きな錠前をぶら下げた彼女こそが、呪われ、失われた禁断の書物・“幻書”を納めたダンタリアンの書架への扉。そして、ヒューイの手にはその扉を開く鍵が握られていた。
幻書とそれを納めた図書館・ダンタリアンの書架。それの管理人であるダリアンと、書架を祖父から受け継いだヒューイの旅のお話。幻書によって与えられる人智を越えた力を得、それによって人生を狂わされたり、あるいは幸せを掴んだりと様々な結末を描いた短編集です。
この手のアイテムを手に入れたことで、その力に溺れ、振り回され、不幸な結末になるのは良くある話で、本作もダークな結末で締められる「美食礼賛」という短編からスタートするわけですが、良い雰囲気ですね。個人的にはもっと救われない話が多くてもいいかなとも思います。人間を不幸にする書架を帯同し、さらには力を与えるために幻書を貸与する、そんなヒューイとダリアンの行為こそが、悪であるとして動く焚書官のエピソードが最後で語られているだけに、両サイドから見たときに明確に善悪が反転しているだけに、ふたりが焚書官という存在を知ったとき――あるいはすでにその存在を知っているのかもしれませんが――どのような対立・対決になるのかも気になるところ。
断章で語られたふたつのエピソードは、誰の手によって幻書が持ち主に渡されたのか分からないままなのが謎めいていますね。ダリアン以外にも、幻書を管理する存在があるのか、幻書を使って何か思惑を持って動いているのか、そして焚書官の最終的な目的など、これから語られるべき物語には事欠かないようにも思います。
メインは幻書によって引き起こされる事件をヒューイたちが解決していく、その軸にさまざまな要素が絡んできて一本の物語を作っていくのかな、とそんな風に思います。
hReview by ゆーいち , 2008/11/16
- ダンタリアンの書架1 (角川スニーカー文庫 123-21)
- 三雲 岳斗
- 角川グループパブリッシング 2008-11-01
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