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ツァラトゥストラへの階段 Tag Archive

ツァラトゥストラへの階段〈3〉

stars ……綺麗ね。あなたの作った世界。

福原駿介のもとに、エージェントである舞から、新たな囚人ゲームへの招待がなされた。携帯ゲーム機を介して、現実と仮想空間のふたつの世界で進行するロール・プレイング・ゲーム。そのゲームの中で、福原がクリアを目指して操作するキャラクターとして与えられたのは、かつて助けようとして助けられなかった“オリビア”だった。今度こそ、彼女を救うために、福原はゲームへの参加を決意する。

手を変え品を変え、プレーヤ同士の騙し騙され合いを描くシリーズですが、今回はさらにゲームゲームしてたかな。ただ、福原の周囲に集まっている子たちが、なんだかんだいっても、彼に協力的なので、展開的には危機的な状況を支え励まし合い乗り越えていく、なんだかまっとうなお話になってきているような……?

オリビアとの再会で、頑なに彼女を救おうと固執する福原。ゲームをクリアするためには、福原の持つパルス能力を限界まで酷使しなければ叶いそうもないという厳しいバランス。そんな福原に対して、言葉にできない気持ちを抱えている感じの、舞や飛鳥、そして日常の側にいる由紀、と。なんだかいつの間にかフラグががっちり立ちまくっているのですが、そんな彼女らの恋のさや当てがなかったりするので、修羅場感がないのが少々残念かも?

そして、この物語の背景も、また一つ明らかに。作中で語られた、未来像がはたして現実となるのかどうかはともかく、そういった信念の元に、大義を持って動いている人びとが少なからずいるという事実は、そのために科せられるゲームの醜悪さと相まって、まさに確信犯ともいうべきものでしょうか。今はまだ、福原には手も届かない場所にいるであろうそんな誰かと、相対することがあるのか、それもまた気になるところです。

hReview by ゆーいち , 2008/09/24

ツァラトゥストラへの階段 3
ツァラトゥストラへの階段 3 (3) (電撃文庫 と 8-6)
土橋 真二郎
アスキー・メディアワークス 2008-09-10

ツァラトゥストラへの階段〈2〉

stars 出口はこの画面の向こうにあります ──Overload Game Start

福原の元へダンスパーティへの招待状が届いた。ビリオンゲーム主催者によるイベントと銘打ったそれに参加した福原は、そこで出会った秋島カレンと共に新たなゲームに参加することになる。チェスをモチーフにした『Overload Game』。出口を捜すだけの危険の少ないボーナスゲームと、ゲーム開始地点で福原を待っていた舞に説明を受けるが、本当のゲームのスタートはまだ先のことだった。

パルスの能力に具体的な特性と設定が加わって、より『ゲーム』を題材にした作品らしくなってきた第2巻。福原の性格がやたらとぶれてる気がするのは、パルスの影響なのかどうなのか。

今回のゲームも、表のルールとそのルールの裏に潜んだ真の意味での勝利条件というものが、また皮肉が利いていて、福原を初めとしたゲーム参加者それぞれが取る行動が、流動的にゲームの趨勢を変えていくのが面白いですね。大多数の登場人物は、まさに記号的な役割しか担っていなくて、実際に動いているのは福原や舞を初めとした数人なのですが、これまたモニタを通してゲームを観戦しているような気分になってきましたね。

パルス所有者としても、ゲーム参加者としてもまだまだ初心者の福原が、歯を食いしばりながらゲームにすがりつくというのが奇妙な感じなのですが、彼の中に生まれたパルスの持つ自我が、彼との共生をどのような形にしていくのか。また、作中の後半でようやく開花したらしい、彼のパルスの真の能力と、ゲーム運営陣の背後で起きている変化が、今後も大きく物語を動かしていきそう。

けれど、やっぱり、日常への回帰が描かれているのが良いですね。ぼろぼろになりながらも、福原が戦い抜けたのは、幼なじみの由紀との約束があったからだろうし、だからこそのラストの彼女の笑顔がホントに眩しく見えます。日常と非日常の微妙なバランスは、いつ崩れてもおかしくないのだけれど、帰る場所があるからこそ、最後にはなんとかいつもの日常を取り戻していくのかなあと思いました。

hReview by ゆーいち , 2008/02/21

ツァラトゥストラへの階段 2
ツァラトゥストラへの階段 2 (2) (電撃文庫 と 8-5)
土橋 真二郎
メディアワークス 2008-02-10

ツァラトゥストラへの階段

stars 過酷なゲーム再び開始! 前作とのリンクが気になる新シリーズ

気が付くと福原は見知らぬ部屋で鎖に繋がれていた。同様の男女が自分を含め11人。天井には首を吊られた誰かの姿。そして、制限時間内に部屋から脱出できなければ、その内の誰かが首を吊られ死ぬ……。手にしたのは一丁の拳銃と、一千万という大金。絡み合う思惑、奇妙なルールに支配されたゲームが開始された。

ということで、『扉の外』が中途半端な幕引きで不満に思っていた人は楽しめそうな内容。冒頭の展開からして、前作をなぞるかのような、唐突なゲームスタートと知能戦。信じ信じられ、裏切り裏切られ、人間の内面と欲深さを逆手に取ったイヤらしい展開は健在です、がアクの強いキャラはいないので印象に残らないかなあ。福原と彼のマネジメント役の舞以外はほぼ使い捨てっぽいし。

「パルス」という異能要素が出てきたりしてますが、それはあんまり重要そうじゃない? 心理戦の方に重きが置かれている展開だったので、異能の力が趨勢を左右するというよりは、その力をアクセントにひと味違った味付けのゲームを築いて見せたという印象です。今後はそういった能力をフルに使った、使わざるをえないようなゲームもきっと出てくるんでしょうね。

で、作中の用語とか世界の描かれ方を見ていると、やはり『扉の外』とのリンクをどうしても意識してしまいますね。前作では描かれなかったゲームを管理する側、それを見て楽しむ側、巻き込まれてしまった人たちに備わっていた異能の可能性、などなど。本作のどこかで、前作の登場人物たちの名前を見て、あの物語の語られなかった部分の顛末が明らかにされたりすると面白いかな。

hReview by ゆーいち , 2007/11/28

ツァラトゥストラへの階段
ツァラトゥストラへの階段 (電撃文庫 と 8-4)
土橋 真二郎
メディアワークス 2007-11

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