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フレイアになりたい〈2〉 ハーデスが泣いている
岡崎裕信の書く作品のラストはどれも切ないですね。その辺が(残念ながら)万人受けしない理由の一つなんでしょうか。ということで、まさか出るとは思っていなかった『フレイアになりたい』の続編。そしてこれで完結だとか。なんですとー!?
前作のラストで、大切な友人を喪ったショックから立ち直りきれない瞳。そして自身と、若菜に残された最大5年という時間を、悔いのないものにするために、最初で最後の覚悟で映画を撮る決意を固めるのだが。
序盤は氏の作品らしく、軽快なテンポで会話が進むかと思ったら、いきなりショッキングな展開で急転直下。「悲しみ」の感情を操り、人を自殺へと追いやる神格能力「ハーデス」の使い手に対して瞳の取った行動は。
新キャラとして登場した、妹キャラ・夜空と、今回のキーパーソンとなる大垣の、心の内に抱えた「悲しみ」の昇華の仕方が対極で、そして立ち位置としても真逆にいるんだろうなあという感じでした。子どもと大人、停滞を選ぶのか、前進を選ぶのか。結局、前進を選んだ大垣の結末は、彼の歩んできた道程と、犯してしまった罪の重さからすると報われたものではなかったかもしれませんが、最後の彼の表情が笑顔であったということが、ただ一つの救いだったのかなと。
悲しみや絶望という負の感情の根源たる、青の神格能力者の瞳が、前作の夕陽のように、フレイアとして誰かを応援したいと願う気持ちが、彼女の存命中にどれだけ叶えられるのか、今後語られることはないのかもしれませんが、泣いて笑って、きっと満たされた時間を送ることができると信じられる、そんな物語。
……でも、あとがきのハジけっぷりは別の意味でインパクトが。集英社刊というメリットを最大に活かした傍若無人なまでの魂の叫びを聞け!
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フレイアになりたい
『[tag]滅びのマヤウェル[/tag]』の新作が期待できなくなくなってしまった岡崎裕信の新シリーズ。世界観が同一なので、マヤウェルがちょっとだけ顔を出していたりと、クロスオーバー的な楽しみ方も一部。
文章が安定してきているので、非常に読みやすい。いや、結構独特のリズムを持った筆致だけど、相性が良いのかな。前半のコメディタッチな展開はなかなかにやけられます。キャラ立ちは十分。
終盤になるにつれて、メインキャラ3人が背負ったものの重さとか、避け得ぬ運命とか、シリアス方面が大変なことになっていって、バトルは熱いわ、キャラの叫びに琴線揺さぶられるわで非常に楽しめました。
オチの付け方としては、万能設定に制限を設け、安易にハッピーエンドに逃げることなく、それでも主人公の瞳とかの前向きな成長にも繋がっているので悪くはないですね。
ただ、この後のシリーズ展開をするにしては結構難しい終わり方なので、このまま1冊完結の方が綺麗ではないかなぁとかとも思ってしまいます。
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